333

BL、生活、その他いろいろ

私の名前はお姉ちゃん

 ここ数年、年末は祖父の知り合いのお店でお手伝いしてるんですが、そこでわたしは「お姉ちゃん」と呼ばれています。

 

 わたしの祖父は地元ではそこそこ顔が広くて、父はその長男、いっこ下の弟も長男、という家族をもつわたしは、どこへいっても「◯◯さんのところのお孫さん」「××くんの娘さん」「□□くんのお姉ちゃん」という呼ばれ方をしていています。祖父の孫として紹介されて、相手からも色々聞かれたりするけど、多分そうやってわたしを呼ぶ人達はわたしについて聞いても名前すら覚てないと思います。なにか頑張っても、「◯◯さんのとこの子はできが良いね」「自慢のお子さんだね」という言われ方をするから、まるで祖父たちの手柄みたいで、小さい時からすごく不満でした。わたしが頑張ったんだからわたしが自慢すべきでしょ!

 

 このまま地元にいる限りわたしは「◯◯さんのとこの子」でしかなくて、将来誰かと結婚したら今度は「◯◯さんのとこのお嫁さん」になるんだろうな(そして子どもを産んだら◯◯ちゃんのお母さん)と考えてはぞっとしていた当時の暗い気持ちや気持ち悪さは今でも鮮明に思い出せます。

 

 ネットで「しおり」というわたしが存在していて、しおりちゃんと呼んでくれる人がいて、親族の話をするときも「わたしの◯◯」という言い方ができるのは、すごく自由だなと、年末には特にしみじみします。お姉ちゃんと呼ばれる場所から帰ってきて、Twitterなんかを見ると、あー今はもうわたしは自分のことをわたしと呼んでいいんだ、よかったなあ一日が終わったなあという安心感に包まれるのです。

 

 

追記

お手伝いも無事おわり、今年もわたしはわたしとして年が越せます。ありがたいことです。

今年も一年、わたしのブログを見てくださった方がいてうれしかったです。ありがとうございました。slash・shipperのエントリがすごく伸びたのでしめしめと思っています。

むかしは、自分の名前ではなくて◯◯の子という言われ方をする点で、菅原孝標女に勝手に親近感みたいなものを持ってたんですが、今はこうやって自分の名前で文章がかけてよい時代に生まれたなーらっきーと思っています。

来年もよろしくお願いします。