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BL、生活、その他いろいろ

外国版BL用語?「 slasher 」と「 shipper 」 を使ってみたい!(2)

2020.11.26追記

こちらの記事は2015年のものとなります。

参考にしたWikipediaのページも内容が変わっていると聞きました(まだ詳細には確認できていないのですが)

ですので、こちらの記事は「昔のWikiには載ってたらしい」くらいの感じでお楽しみください。

 

2021.5.10追記

shipperについての認識に誤りがありましたので訂正記事を書きました。ご一読ください。

海外版BL用語?「slasher」と「shipper」を使ってみたい!(3) - 333

 

前、外国版BL用語?「 slasher 」と「 shipper 」 を使ってみたい!(1) というエントリを書いたのですが、そこで「細かいshippingのルール等は次回書きます」と言っておきながら、放置し気付けば1年が過ぎてしまいました。たまにアクセス解析を見ると、定期的に閲覧されているようで、slashとかshippingに興味がある人って結構いるのかも、と感じています。この勢いで(?)もっと浸透して、自然と使えるくらいになればいいのに!

 

 ということで、今回はslash、shippingの表記ルールと、ちょっとした用語をピックアップしてみたいと思います。slashとshippingの概要、名前の由来等は前回の記事で紹介しているので、そちらも併せてどうぞ!

 

 今回主に参考にしたサイトは、前回に引き続きウィキペディア英語版fandomのページと、slash(外国産やおい)用語辞典 - 腐女子のための二次創作サイト入門 - Tips - AZ storeBecause you're an idiot. |どうでもいいスラッシュ用語集です。(今回英語のページはほとんど見ていないので、実際に海外で使われている意味合いや雰囲気とはちょっとちがうかもしれません)

ここでは、簡単なルールと、知らないと意味が分かりづらい、だけど日本でもよく使うジャンル・表現の呼び方、個人的に面白いなと思った単語を中心にまとめてみました。

 

 まずはslashとshippingのルールについて。

 slashは、pearing(ペアリング=日本で言うところのカップリング)にしたいキャラ2名の間にスラッシュを入れて表記します。例えばAとBというキャラの組み合わせを表したいときは「A/B」になります。日本における掛け算方式とは違い、名前の順番と受け攻めは関係無いようです。ただ調べてみると、メジャーなカップルは呼び方が決まっている場合もあるようです(好きなペアを検索するときのことを考えると決まってたほうが便利だからかも)。例えば前回紹介した、スタートレックの人気ペアであるカーク(Kirk)とスポック(Spock)だと、Spock/Kirkよりも、Kirk/Spockの表記の方が多いようです。ところが、私の好きなパーソン・オブ・インタレストというドラマのペアを探してみたところ、面白いことに、同じキャラでも名前での表記または名字での表記と、フルネームの表記では、キャラの順番が違っていました。ジョン・リースとハロルド・フィンチというキャラのペアは、名前での表記だと「John/Harold」、名字だと「Reese/Finch」となって、順番は同じなんですがですが、フルネームだと「Harold Finch/John Reese」となって、さっきの二つとは順番が逆なのです。不思議。

もう少し調べてみると、この順番には物語で中心的な人物がどちらなのか、どちらかというと受け傾向のあるキャラは誰なのか、というのが関係している(と感じる)、という話もあったのですが、全部が全部そういうルールで統一されているわけでもないようなので、きっちりとしたルールというのはやはりないようです。言いやすさとかが関係したりもするのかな、と思ったりしたのですが、今のところ謎のままです。

じゃあ、slash文化には受け攻めという概念はないのか、というと、全くない!というわけではありません。基本的にはリバーシブルであることが多いそうですが、「top and bottom」という「受け攻め」に似た用語がありました。topが押し倒して挿入する側(攻め)、bottomが挿入される側(=受け)です。少し話がずれますが、男性が上、女性が下の「正常位」というのは元々西洋の概念らしいです(日本には明治時代にやってきた概念で、それまでは別に男性が上なのが一般的というわけではなかったそう)。挿入する側=top(上)、される側=bottom(下)という単語はそういうところから来てるのかなーと思いました。

 ただこの用語、(精神的)SMという意味もあるようなので、これが書いてあるからといって必ずしも受け攻め固定の創作とはいえない....かもです。曖昧。

 

 さて、今度はshippingについてですが、ペアリングの仕方はslashと同じで、/をつかうことが多いです。また、AandBという表記もあるようですが、これは恋愛関係ではなく友情関係を表すときに使うともいわれることが多いっぽい。この2つの大きな違いは、slashが同性同士の関係を描くのに対し、shippingは男女間の関係も表すところ....と言われていますが、前回も触れたように、どちらも意味の変化が起こっていて、同性、異性で明確に区別できるものでもなくなってきている、ということでした。

shippingに関する話で一番面白かったのは、

 というもので、これすっごく使いたいんです。タイタニック!って言ってみたい。

 

 こんな感じで、他にも面白い用語もいくつかありました。

例えば、日本語の「やおい(やまなしオチなし意味なし)」と似た「PWP」。これは、Porn Without Plot(直訳すると"プロットのないエロ")もしくはPlot? What Plot?(プロット?プロットって何?)の頭文字です。海外でも似たような語源の単語があるんだなってびっくりしました。発想も一緒だし、頭文字取るのも一緒だし。

頭文字系でいえば、「NSFW」というのもあって、これはNot Suitable For Work(仕事場で見るのには不適切)もしくはNot safe For Work(仕事場で見るのは安全ではない)の頭文字で、「背後注意」と同じ意味です。

こういったPWPな作品、NSFWな作品とか、自分の好みの作品を見つけてしまいものすごく萌えた時に使うのが、「Unf.」。 Universal Noise of Fucking(一般的にセックスの時に出る声)の略らしいんですが、要するにめっちゃくちゃ萌えた!うっかり悦ぶ声が出ちゃうよ!はあああああん!!!!みたいな意味になるのかな。興奮度合いによって「uunf」とか「uuuunhhhfff」みたいに長くなっていくみたいです。

あと「MHC」。Magical Healing Cock(魔法の癒やしちんこ)の略で、「お清めセックス」のことです。魔法の癒やしちんこ!

 

最後に知っておくと便利そうな用語をまとめておきます。

AU」 Alternative Universe(代わりの世界)=パラレル

TW」   Trigger warning(注意喚起)

 =あなたをひどく不愉快にさせる可能性があります

  暴力表現とかレイプものにつける注意書き

non-con」Non consent(合意じゃない)=レイプ

OOC」 Out of Character(キャラクターから離れちゃった)

 =萌えるがままに書いていたら原作とは違ったものになってしまった

 キャラ崩壊、もはや原型を留めてない、とかになるとcharacter assasination(キャラの殺害)になるようです。

 

などなど。参考にしたサイトや、英語のサイトを見ていると、気になる単語がたくさんあって楽しかったので、興味がある方はぜひ見てみて下さい。

 

 最後に、ブロマンスについてちょっと触れておきます。slashとかshippingに比べて、ブロマンスは日本でもメジャーになってきた単語かなと思います。Twitterでもよく見ますし。私が初めてその単語を聞いたのは、海外ドラマSHERLOCKの放送が日本で始まった頃で、BLまではいかないけど絆の強い男性同士の関係という意味かなと思っていました。改めて調べてみると、「性的な関係のないホモソーシャル的な親密さ」という意味らしいです。「Brother」+「Romance」が語源だそうで、そう言われるとすごく分かりやすい。ブロマンスと言われている作品はたくさんありますが、これがブロマンスか!と衝撃を受けたのが韓国映画の新しき世界という作品です。すっっっっっっごいブロマンス!と言われていたので、気になって見たのですが、ほんとにすっっっっっっっっっごいブロマンスでした。兄弟的な愛、ホモソーシャル的な愛で、性的な関係はないけれど、恋愛にも劣らない非常に濃く密な関係性、絆の強さをまざまざと見せつけられた作品でした。暴力シーンがグロテスクですが、そういうのがものすごく苦手、というのでなければおすすめです。

ブロマンス作品と名高いものはslash作品も多いのですが、ブロマンスとBLは別物なんだなとつくづく感じました。なんというか、公式のキャラの関係性に使うのがブロマンス、それを見て萌えて作られたファンアートがBLもしくはslash みたいな感じなのかな。ブロマンスという単語を知った時は、「ホモ」に代わる新しい単語になるかも!と思ったのですが、この2つは別物っぽいです。ただ、日本の「ホモ」という単語には、BLだけでなくブロマンス的な関係も含むのだろうなと思います。こころとか山月記とか舞姫とか、あの時代のホモソーシャル的な関係が描かれた作品も日本ではホモと言われたりしているので。

 

 ブロマンスという単語は使えるようになってきましたが、やはりそれだけでは表せない関係もあるので、slash、shippingみたいな単語の普及は必要だぞ...としみじみ感じました。あと、ほんとにタイタニックっていうのを使いたくてしかたがないので、そのためにshippingっていうのを流行らせたいです。使ってみたい!(1) に引き続き、沢山の人に読んでもらって知ってもらえたらいいなと思います。はやれ~

 

 追記

(1)の方で書いたかもしれないんですけど、スラッシュで男性同士の物語のことをM/M(male/male)(読み方は多分えむえむ)、女性同士のものをF/F(female/female)って表します。BLの代わりになる呼び方を探して色々調べていましたが、今のところ、おそらくこれが一番代わりに使いやすいものかも(slashとかshippingとかは、どちらかというとジャンルの名前とか、行為に当たる単語っぽいのかな、と感じていたので)。

またそれぞれの単語のニュアンスとかは詳しく調べようと思いますが、例えば「AとBのホモ本が読みたい!」とかいうのは、「AとBのMMが読みたい!」って言い換えられるんじゃないかな!BLって単語に親しんでる身としては、結構近い感覚で使えるし、発音としてもなかなかかわいい感じでいいんじゃないでしょうか。

 

プロフィール

 てなのプロフィールを書いてみました。

 BLが好きなこと、セクシャルマイノリティであり、恋愛ダメなこと、女性であることに引け目を感じずに、そして不自由を強いられずに暮らしていきたいし、加えてこれらの属性は対立するものではない、というのが私の意見の軸です。

 ってところ、自分で書きながら、ああ~そうなんだよ~ほんとにさあ、って思いました。腐女子だとか女だとかそんな理由で軽んじられてつらい思いをするのは嫌です。セクマイであることを何かの理由にされるのも嫌です。そういうのって悲しいから、そこから解放されたい。

 

 Twitterのほうではまた、同性愛は公に認められてないから一般人に配慮して隠れろって話が出てまして、それだけでもきついんですが、私腐女子だけどそれは同性愛差別だよっていう腐女子ほんと気持ち悪いよねってツイートを見てしまって、更にそれが大量にRTされてるの(同意のRTかどうかは分かりませんが)も見てしまって、ああ~もう死ぬか殺すかどっちかだな、と絶望的で攻撃的な気持ちになっています。こういう意見に反対してくれる人や、理解して励ましてくれる人も沢山いるけれど、やっぱり世の中にはこういう言葉や意見も大量に存在してて、そういうのが表に出てきて目に入ってしまうたびにもういやだと思うのです。同性愛をおかしなものに仕立て上げないで欲しいし、セクマイやアライ(セクシャルマイノリティの理解者・支援者のことです)として反論させて欲しいし、腐女子を悪者にしないで欲しいし、痛めつけないで欲しい。

ていうかお前気持ち悪いとか腐女子やら同性愛やらの話題に限らずねえよ!ひどすぎる。魔女になる。もう出家したい。

 

 こういう理不尽でしんどいことは、社会の構造のせいだ、という意見もあって、それは分かるし、個々人を攻撃するよりも基本的なところから改善していけたらいいなとも思うんですが、ひとまず今がつらい。今解放されたい。悲しい。攻撃してくる奴らが憎い。何が好きで誰が好きか、自分は何者なのか、どういう風に生まれてきたのか、そういうことについて誰かにバカにされたりひどいめに遭わされたりしたくない。したくないよー。

 

 さっきの文章をプロフィールとして書き起こしている最中にまたしんどいものを目にしたので余計に、そうだ、私はそう思ってたんだ、って再確認して、だからつらいんだというのもまた感じたりして。でも多分、しばらくはこのスタンスで行くと思います。そしてそうある限りこの先もしんどい思いをするんでしょう。でも仕方ないんですよね、私はそういう風なんだし。

 

 ちなみにはてなのほうのプロフィールには書きませんでしたが、私の座右の銘は「好きなものは好きだからしかたない!!!」です。いい言葉だ。BLってすばらしい。

ちんこBL

 のブログ、開設してしばらくの間「ちんこ 漫画」「ちんこ BL」といったようなキーワードでアクセスしてもらう事が多かったんですが、実はこのブログにはちゃんとしたちんこBLについてのエントリって一個もないのです。とっくに書いたつもりでいたのでびっくり。そこで、改めて需要(?)に応えるべく、私的良ちんこBLのレビューをしたいと思いますよ!

 

今回紹介するのはこちら。

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選んだ基準は、ちんこがしっかり描かれていること、修正の主張が強すぎて不自然ではないもの、です。

詳しいあらすじはリンク先のBLレビューサイトちるちるでどうぞ。

 

1.あふれてしまう 荒井よしみさん

http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/46053/

この漫画、最近の中で一番お気に入りの漫画です。CPは一冊まるごと実は元遊び人・本屋の店員×男の人に犯されたい妄想激しい男子高校生。もともと電子書籍で発売されていて、ネット上のあちこちに広告が出ていたので、知っている方も多いかもしれません。私も広告を見てずっと気になっていたので、単行本になった際に買いました。超当たりでした。えろ多めの作品なんですが、電子書籍だからか性器の修正が割と緩いです。ちゃんと実体を持って存在してます。霞じゃない!概念じゃない!パントマイムセックスじゃない!!修正の方法はあまり見たことのないものだったんですが、実線で書いたものを薄くぼかしたような?覗き見防止フィルター付きの携帯で画像を表示した時のような....?少し線が薄くはなっているんですが、しっかりと描かれていて、どこか一部を隠す、というものではありませんでした。また、「犯されたい願望をもつ男子高校生」が受けということで、基本的に受けの子が色々される様子が重点的に描かれてるので、受けちんこのほうが頻繁に出てくるのですが、珍しいことに、受けのちんこがしっかりしたサイズなのです....!一般的に、身長差のあるCPだったりすると、受けのちんこはウインナーかな?チーズかまぼこ?みたいなサイズで、まるっこく短めフォルムのことが多いように思うんですが、この作品では攻めのサイズにも負けず劣らず、というくらい。フォルムもしっかりしています。とてもよい。

 さて、この作品えろ重視ではありますが、ストーリーの方も楽しく追えるものでした。受けの心理描写もばっちり。そして一番のお気に入りは絵柄。体つきもしっかりしていて、書き込みの多い濃い目タッチのえろ向きな絵柄なんですが、一方で、童話の挿絵のようなミステリアスで素朴な感じもあるんです。鼻の位置と目が独特なのかも。アニメスナフキン×さとうさとるのコロボックルっぽい。1話目が一番そういう不思議な絵柄だったかも。出だしでその雰囲気に惹きつけられて、のめり込むように読んでいったんですが、残念なことに2話目以降少し癖が抜けてしまっていました。でも、その変化もまた面白いかも。特に攻めのミステリアスさと顔のきつさが段々やわらいでいくのもストーリーと合っていて見どころです。回を追うごとに、攻めが受ければいいのに~ってくらいかわいくなっていくんですが、描きおろしでそのあたりにも触れてくれてたので、二度美味しい!という作品でした。おすすめ!

 

2.キモチの行方 明治カナ子さん

http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/4538/

1998~2000年の作品を収録した、2006年発行の漫画。折り返しの作者コメントに「ホモ二冊目」って書いてあるので、だいぶ前の作品のようです。内容は双子攻めの執着調教SMもの!この作品、いわゆる痛い系で、調教、拡張、薬物、ピアッシングなどのプレイが多く、流血もあるので苦手な人もおられるかもしれないんですが、私はとても好きで、前の誰にも邪魔させない系溺愛執着ヤンデレBLのススメでも書きたいなと思っていました(文章の長さ的に省いちゃったんですが)。

 CPは双子の総・洋×啓治。後々総×啓治になります。受けの啓治は世間知らずで変質者に好かれやすい箱入り息子で、中学時代にレイプ被害にあっていたのですが、それを守っていたのが総と洋でした。総も洋も啓治とは体の関係があるんですが、啓治に対する感情はそれぞれ違うようで、話が進んでいくにつれてその違いが明らかになっていきます。

 この漫画、とても気に入っているので、詳しくはまた別のエントリで書こうと思います。ひとまずストーリーについてはここまで、ちんこの話に移りますが、おどろくべきことに、この漫画修正一切はいっていません。モロ!もろだし!!上記のように、大分昔の作品ですし、当時はそんなに修正の厳しくなかった時代だったのかもしれません。性器も、結合部もそのまんまなのです。ピアッシングなんかの流血を伴うプレイも多いため、逆に修正がほしくなるくらい、何もかもさらけ出されたままの作品となっています。性器の描写ですが、線もフォルムもしっかりしています。トーンを使った陰影が付いていないので、立体感はあまりないのですが、それでもリアル寄りのちんこだと思います。

 ちんこ見たい方だけでなく、痛い系、ヤンデレ執着が好きな方には特にオススメです!

 

3.園長先生のしつけ方 天城れのさん
http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/30983/

私は「おおがみ幼稚園」園長の大神。園長でありながら、正直子供は苦手だ。...(中略)...教諭の牧田くんが「まずは園児の気持ちになってみましょう」とレッスンをしてくれることに。園児と同じ格好をさせられた私は「おひるねタイム」に添い寝までしてもらい…園児にはない男の部分を滾らせてしまうが!?    

 出版社あらすじより。そういう話です。わかりやすい!受けの牧田くんがなんでもかんでもえっちに持ち込むタイプの爽やか好青年系タラシビッチで、その誘惑にヘタレ園長はまんまと乗せられてしまって.....♡♡♡という話です。安心して読める典型的なえろBL!(レーベルはGUsh Mania Comicsです、でテイストが分かる方は分かるかもしれません)園長は人相の悪い色黒ガチムチ巨根攻めなんですが、ヘタレで童貞メンタルなところもあり、牧田くんにガンガン責められてああああん♡ってなってます。幼稚園児プレイ痴漢プレイオイルプレイ、尿道攻めに小スカ、水着に青姦に男体盛り、緊縛スパンキングetcetc......15ページほどの短編・一話完結型なのですが、それぞれで特定のテーマに沿った濃い~プレイをしています。受けの牧田くんはリバもいけるようで、最後の方では園長先生へのアナル攻めプレイも入ってきたり、本当にバリエーションに富んでいてお腹いっぱいに!

 ちんこは、結構むっちりがっつり色もついてて存在感ドーン!というかんじなんですが、それが更に強調されるようなアングルのページが多く、修正は丸いキラキラトーンで丸く消しが入っています。メジャーな方法ですし、修正のサイズも大きくないのでそこまで気にならないかと思います。たまにちんこに顔が描いてるんですが、可愛いと感じる方もいれば、気になる方がいるかもしれません。ちなみに受けも攻めも乳首もしっかりついております!何も考えずに安心安定のあほえろBL読みたい、という時におすすめです。

 

 

4.魔法が解ける迄 つくも号さん

http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/26648/

  少年をテーマにした短編作品集です。8ページ程度の本当に短い作品たちがぎっしり収録された本。全編ショタが主人公になっています。最近ではショタBLはほとんどありませんし、とても珍しいなと思っていたところ、ダイヤモンドコミックスというところから、2010年に発行されたものでした。このレーベルからはショタコミというアンソロジーが出ていたようです。つくも号さんもそのアンソロに参加されていたショタ描き作家さんで、現在もショタスクラッチというイベント中心にサークル参加されたりしています。

 「ショタ」というと、ふわふわほのぼの女性向けか、がっつりえろえろ男性向けのどっちかじゃないの?ってイメージがあるんですが、この作品集では、ほのぼのもえろも、更には少年の甘酸っぱい初恋や重苦しいシリアスまで、ほんとうに様々な話が収録されていて、今まで「ショタ」という単語から想像していた単調なイメージが一掃されるようなバラエティに富んだ作品集になっています。あらすじの「最も軽い作品と最もヘビーな作品が同居する作品集」というキャッチコピーは、収録された作品の雰囲気の幅の広さをとてもよく表しているなと思います。

 例えば、RPG設定で、魔法アイテム・女性用パンツでパワーアップ!みたいなあほエロ話から、先生に秘密を握られちゃった中学生の典型的な甘々ショタもの、更に姉の婚約者との恋の話、恋人だった兄の死を悲しむあまり他の男性にむちゃくちゃにされたがる男の子の話、病んだ母親の呪縛から開放されないままでいる男の子の話などなど。本当に様々です。

 つくも号さんのショタは、女の子っぽい、細い、幼いという感じではなくて、「少年」であり、体つきも、もちろん子どもなのでゴツくはないですが、しっかりめに描かれているので、弱々しいショタが苦手だ、という人や、普段青年~大人のBLしか読まない方でも違和感なく楽しめると思います。

 で、ちんこの方ですが、しっかり実線で描かれています。話によっては、体勢やアングルの関係で見えない(ようになっている)ものもありますが、基本的に全話に出てきます。修正は白い線で、亀頭くびれの部分と、接合部に入っていますが、たまに全く修正の入っていないコマがあったりもします。ちなみに乳首はあったりなかったりですが、描かれていてもとてもちっこいものになってます。

 

5.隣の 腰乃さん

http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/17413/

今まで紹介してきた中で一番ポピュラーな作家さんなんじゃないでしょうか。今回紹介する『隣の』は腰乃さんのデビュー作で、ほぼ全部働く男子・サラリーマンものの短篇集です。スーツ!ネクタイ!オフィスラブ!腰乃さんといえば、リーマンもの、といっても過言ではないと思っているんですが、それよりもっと特徴的なのが体毛。陰毛ももじゃもじゃがっつり、すね毛もちゃんと生えてる男子だらけ。最近ではちょいちょい増えてきた体毛BLですが(体毛ONOFF機能のあるBLゲームが発売されたり体毛BLについて作家さんが講演したりしていたり)ちょっと前までは体毛に抵抗ある人の方が多かったイメージだったので、買った当初はガチムチ系BL以外で体毛がしっかり描かれているというのは珍しいなーと思いながら読んでいた記憶があります。

さてさてこの作品の内容なんですが、リーマン、体毛、ゲイとノンケのいちゃいちゃ青い恋愛、というのがキーワードかと思います。片方がゲイ、片方はノンケのカップルで、最初は男同士に慣れなくて・抵抗があってビクビクしていたノンケが、相手のかわいさにくらっときてやっちゃう、もしくはゲイの方が押し倒しちゃう、という展開が多いかも(ノンケ攻めゲイ受けの場合もあるし、ゲイ攻めノンケ受けの場合もあります)。この受け攻めですが、受けも攻めも両方男の人の体型で描かれているし、体毛も生えてるし、性器も大きめに描かれているし、身長差もない場合があるので、どっちがどっちなのか判断がしづらいことが多いです。そこがまた腰乃さんの作品の面白いところだと思っているんですが。

ちんこは、なんというか皮剥いたバナナのあのもわもわした感じの、線画がちょっとガタガタした棒みたいな、そんな感じで描かれています。でも基本的にフォルムはしっかりしてるし、線もきちんと実線で描かれているし、修正も白線でちょっと入ってる程度。腰乃さんの、全体的に荒々しい(?)絵柄と擬音が相まって、セックスシーンはなんだかすごく生々しくなっていると思います。

人気作家さんですし、ストーリーもしっかりして読みやすいと思います。

 

さいごにおまけ?なんですが、左京亜也さんのネコ科彼氏のあやし方(http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/35414/)シリーズは、擬音で性器を隠すという修正の仕方をされています。しっかり性器が見えるわけではないのですが、白線などの不自然な修正でないので、修正を気にせず読みたい方にはおすすめですよー。

 

追記:ものすごく分かりやすく改題しました 

    

外国版BL用語?「 slasher 」と「 shipper 」 を使ってみたい!(1)

2020.11.26追記 

こちらの記事は2014年のものです。

参考にしたWikipediaのページも内容が変わっているとき聞きました(まだ詳細には確認できていませんが…)ですので、こちらの記事は最新のものではなく、過去のいずれかの時期のWikiのページに載ってたことなんだな、くらいにとらえてお読みください。

 

2021.5.10追記

shipperについて認識の誤りがありました。訂正記事を書いたのでご一読ください。

海外版BL用語?「slasher」と「shipper」を使ってみたい!(3) - 333

 

女子という言い方が好きではありません。自虐の意味があるのも嫌だし、蔑称になってるのも嫌で、できるだけ使いたくない。BLのことを「ホモ」って呼ぶのも差別用語なので嫌。ホモってほんとひどい差別用語ですよね。ひとまず、代わりに「BL・やおい」、「BL好きやおい好きやおらー」、という言葉を使ってはいるんですが、発音の響き的になんだかすっきりしない。もったりしててあんまり好みじゃない。腐女子・ホモって言葉、意味はともかく、発音するときの響きとか、口に出しやすさがとても良いんですよね。この響きの良さに代わる、言葉を探すとなると難しい・・・と、ここ数年答えの出ないまま悩んでいたのですが、先日こんなツイートを見ました。

 

 shipper(シッパー)とslasher(スラッシャー)・・・・なんかかっこいい!音がかっこいい!slashの方は海外でのBLの呼び方として知っていたのですが、シッパーは初めて聞きました。そもそもシップって何?船??気になる!

 ということで、調べてみました。と言っても、海外のBL事情にも疎く、知り合いもいないので、英語版ウィキペディアを参考にしています。こちらhttp://en.wikipedia.org/wiki/Shipping_(fandom) 
(ちなみに、英語以外の言語でも、これに似た記事が書かれています。ページ左下の言語を切り替えるとその言語圏で書かれた記事に切り替わるのですが、言語によって内容が違うようです。)

 以下、私の拙い訳とGoogle翻訳のガタガタな訳をもとに書いています。そもそも出典自体ウィキなので、へえ、くらいの感じでお読みください。

 

 ではまず概要から。

 shipperが行う創作は「Shipping」と呼ぶそうです。これは日本でいうところのカップリングというやつ。ざっくり言うと、(主にフィクションの中の)二人の人間のあいだに恋愛関係があるだろう、もしくはあるべきと考えること。shippingする二人は、作中で恋愛関係にあると認められている人から、絶対無いよー!って人までなんでもありだし、性別も関係なし。そしてshippingした 二人の絵を描いたり、架空の小説を書いたりして、Webサイトに投稿する行為のことも、shippingと呼ぶそう。ただし、インターネットによくありがちな、単語の意味の移り変わりというのがこの言葉にも起こっているようなので、結構あいまいな使い方をされているみたいです。

 それから、アニメ・漫画のコミュニティでは、shippingよりも、pairing(s)という単語のほうが一般的な模様。ちなみに、日本を含む東アジアではcoupling(またはCP)と呼びますが、同じアジア圏でも、フィリピンだとloveteam(s)って呼ぶそうです。分かりやすい。フィリピンにも二次創作の文化があって、固有の呼び方があることにびっくりしました。

 

 さて、shippingは行為を指して、shipperはそれを行う人、ってことみたいですが、この単語、由来は何なのかといいますと、「relationship」から来ているそう。船(ship)じゃなかった!relationshipperから始まり、 R'shipper → 'shipper → shipper、という風に略されて今の状態になったということでした。

 

 この単語の歴史を少し追ってみますと、使い始められた時期や場所は不明瞭だそうですが、shipという単語が有名になり、受け入れられ始めたのが1960年代中盤、Star Trekスタートレック)というテレビドラマの放送時とかぶるようです。調べてみたら、この作品、SFもので、TVシリーズ5本(シリーズごとに間隔はあけつつ1966~2005まで)、映画12本、アニメ一本という超長寿・人気作品なんですね。そこで、このシリーズに出てくる、Kirk(カーク)とSpock(スポック)という主役級キャラ二人のshippingが流行って、その時に使われたshippingの表記が「K/S」だったというところから、男性二人の間の恋愛を「slash(スラッシュ)」というようになったんですね。

 更に最近では、「anchoring」という単語もあるそうで、これは、自分たちがshippingした、お気に入りのキャラクターに対して使われているものっぽい。

 

 まとめますと、shippingは日本でいうところのカップリングのこと。男女・男男・女女全部含む。そして、shippingをする人のことをshipperと呼ぶ。一方slashの方は、同性愛だけを指す。(男男はslash、女女はfem slash)slash fictionを読んだり書いたりする人はslasher。ということになると思います。このへんの細かい用語とか、shippingのルールみたいなものは、次回の記事で触れようと思います。

  

 

 冒頭でいったとおり、この記事はウィキをざっくり訳してざっくり要約しただけのものです。おかしな点があればご指摘ください。また、海外BL事情に詳しい方がいらっしゃったら、現場の雰囲気なんかを教えてもらえると嬉しいです。よろしくお願いします!

 

 ちなみに、スタートレックのカークとスポック、ウィキペディアのキャラクター紹介ページをざっと読んでみたんですが、カークの方は、大胆な手腕と社交的な性格で、普段は冷静沈着だけど感情的に爆発し易い地球人。大佐兼船長。勲章も大量にもらってるような伝説的な人。恋愛経験は豊富だけど生涯独身で、家族に飢えている。対してスポックの方は、感情表現を抑え、論理的思考を優先する典型的なバルカン人。口癖は「船長、それは非論理的です」「魅惑的だ(片眉をあげながら)」。後半はカークを心配し感情を露わにするシーンや、誕生日にプレゼントを送るシーンもある。

 とのことで・・・・これは・・・・これは流行る・・・・・・・こんなのが何年にもわたって放送されてて、海外のファンのかた幸せすぎて大変そう。萌え続けて体力使い果たしたりしないんだろうか・・・・・

続きを書きました http://si0r1.hatenablog.com/entry/2015/06/10/001954

 

おまけ 

http://si0r1.hatenablog.com/entry/2018/03/20/190110

誰にも邪魔させない系溺愛執着ヤンデレBLのススメ(2)

 回のレビューの続きです。残りの二冊!

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 両方、宮緒葵さんの作品です。

 

5.地獄の果てまで追いかける 宮緒葵さん
http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/40932/

 以前書いた「ちくBL」でも紹介した作品です(その時の記事はこちらhttp://si0r1.hatenablog.com/entry/2014/02/10/031912)。
 女装バーのオーナー×トラウマ持ち女性恐怖症のお話。祐一は、幼い頃から毎日髪の長い女に首を絞められて殺される夢を見る。そのため女性恐怖症になってしまった祐一だが、その美貌のせいで女性にしつこく迫られることも多く、とても苦しい生活を送っていた。ところがある日、偶然訪れたバーでのオーナー・深見に気に入られ、付き合うことになる。すると不思議なことに、長年祐一を苦しめてきた夢を見なくなった。恐ろしい夢から開放され、深見との幸せな日々を送っていた祐一、しかし反対に深見の様子がおかしくなってゆき___というあらすじ。

 ここから思いっきりネタバレになります。

 この「夢」には、深見と祐一の前世が深く関係しています。平安時代、とある貴族である夫を愛すあまり、夫が他の女に取られ、私の元から去ってしまうのでは...という恐怖に取り憑かれた女性が、化け物に身を変え、夫を縊り殺し、誰にも邪魔されぬ地獄の果てまで夫を追いかけてゆく、という結末をむかえた夫婦がいました。その夫婦二人の生まれ変わりが深見と祐一でした。前世から誰にも邪魔させない系執着ヤンデレ感もりもりなんですが、深見さんも現世でも良いヤンデレっぷりを見せてくれています。前世から受け継いだ執念・祐一を殺してしまいたいという衝動と、現世での祐一に対する愛・理性の間で揺らぐ深見の苦しみようは、最早サイコホラーと言っても過言ではないほど狂気に満ちています。とてもおいしい。この狂気は前世からの妄念によるものかと思いきや、元々深見は嫉妬深く束縛が強い性質だったようで、前世の因縁から開放された後も変わらず祐一を縛り続けます。縛られる祐一の方もまんざらではないようで、おかしくなっていく深見に恐怖を感じながらも、深見の狂気を一生懸命受け止めようとし、深見が正気に返ったあとも変わらず愛し続けるのです。徹頭徹尾、誰にも邪魔させない系執着溺愛ヤンデレ攻めと、包容受けが堪能できるおいしい作品でした。前回のレビューでも少し書きましたが、この作品は、受け攻め間での女性役男性役、力関係や力関係の優劣が固定されることがありません。それがなんだか倒錯的な?雰囲気のある不思議な感じがして私は好きでした。

 

2.悪夢のように幸せな 宮緒葵さん
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 世話やき美人策士+兄貴系ヤクザ×トラウマ持ち高校生。これは本当におすすめの本です。
 幼いころ両親を亡くしてしまった一希は、以来又従兄弟であり初恋の人である柊慈の元で育てられる。ご飯も着替えもお風呂も、自慰も何もかもを大好きな柊慈にしてもらうその幸せと安心感に包まれて暮らしていた。柊慈はなんでもしてくれる、教えてくれる。一希が柊二の親友である功に恋をしていることも・・・。そんなある日、柊慈と功はヤクザからの襲撃を受ける。功の身代わりになり、重症を負った柊慈は人質として拉致されてしまう。絶望と悲しみに打ちひしがれる一希は、功に引き取られるのだがーーーーというお話。あらすじだけを見ると、近親相姦と思わせておいて後からワイルドな攻めに持っていかれる系BLじゃない!?あかんやつじゃない!??って感じなんですけど、違うんですねこれが!一希が柊慈のもとに引き取られてから、一希は柊慈から「常識」を教え込まれます。柊慈がいなければ一希は生きていけない、柊慈だけが愛してくれる、守ってくれる、幸せにしてくれる。両親が亡くなってから十数年にわたって刷り込まれた常識は、周りからは見えないところで一希を雁字搦めにし、柊慈以外とは幸せになれないと思い込ませていたのです。そんな一希に思いを寄せ、振り向かせようする功も大概ヤンデレなんですが、一希を自分のものに出来るなら自分の命さえも懸けることを厭わない、自分以外と結ばれるくらいなら一希が壊れてしまってもいいという柊慈に比べれば可愛いもんです。監禁するくらいじゃ一希を柊慈から奪うことは不可能なんでしょうね。刷り込み型ヤンデレものは数多くありますが、ここまでくると洗脳とか調教とかのレベルなんじゃないか、というほど。悪どいです。
 一旦誰かに奪わせることで、一生誰にも邪魔できないようにする育成型溺愛執着ヤンデレの極み!みたいな攻めが出てくるお話でした。柊慈も功も、タイプは違えど相当末期のヤンデレだし、一希も大分精神病んでるし、まともな人間はいないんだけど、そこがとてもおもしろかったです。

 

あと、最近読んだものなんですが、紺色ルナさんの『蝶よ花よ』、誰にも邪魔させない系ではないんですが、相当拗れた近親相姦ヤンデレでした。今は小嶋ララ子さんの『ゆめゆめ心中』も気になっています~。