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BL、生活、その他いろいろ

インスタントコミュニケーションの訓練について

 回くらいのエントリで、私はコミュニケーションが苦手なので、努力して特訓してなんとか人並み程度になりました、という話をしました。この特訓、合ってるのか分かんないんですけど、書いておいたら誰かの参考になるかも、と思ったので、今回はその話をします。

ただしここでいうコミュニケーションは、知らない人と話すとき反射で話を合わせるときとか、つなぎに使うようなもので、大事な人と大事な話をするときはやらないほうがいいです。反射じゃなくて考えないとダメです。

 

 

 さて、私は小さい時からあまり社交的ではなく、少人数の友達と親密になってずっと一緒にいることが多かったので、大学に入って、大人数で浅く広くのコミュニケーションを求められた時、ものすごく困りました。また、その頃始めたバイトが、コミュニケーション力を非常に必要とする職種だったので、私の生活の中で一気にコミュニケーション力求められる場がものすごく増えたのです。

 そうはいっても、いきなり社交的でぺらぺらしゃべれる人間になれるはずもなく、毎日つらい!学校つらい!!バイトもどうしたら良いか分かんない!!という状態で、これはさすがにまずいぞ、どうにかしないと、と発起して、自分のコミュニケーションスキルの向上を図ろうと思い立ったのです。

 

そこで、まず私のコミュニケーションで良くないところや、困っているところを探しました。

1.まず人が怖いし苦手

2.表情が堅く、初対面の相手に威圧感やとっつきにくい印象を与える

3.声が通らないか、話してる内容を聞き取ってもらえない

4.なんか話してる途中でつまらなさそうな顔をされる

5.はやりの話題や単語を知らないので、話に詰まったり馴染めない

6.話にオチがなく、話し終わった後謎の無言状態が生まれる

7.盛り上がらなくて居心地悪い

この中で、一番コンプレックスだったのが、2と、5と、6でした。一番困っていた、というか、致命的だったのは1です。とにかく、このへんをどうにかしたい、少しでもましにしたいというのが当初の目的でした。

 

 

 いきなりうまく話すのは難しいです。勇気もなかったので、そういう状態でなにができるか、と考えたところ、相槌くらいなら私もうてるぞ!と思いつきました。

なので、特訓の第一段階は、なんとなくいいかんじに相槌が打てるようになること、と目標を立ててみたのです。

まず、自分が無理なくうてる相槌のレパートリーをいくつか用意します。私は、「なるほど~」「たしかに~」「そうなんですね~」の3つを選びました(語尾を伸ばすのがコツです。柔和さを演出できます。やり過ぎると馬鹿っぽいと思われて舐められるんですけど....)。どんな話題にも使えるのでオススメです。使い回ししてもわりとバレません。

誰かの発言に対して、肯定することは割りと簡単なんです。逆に、否定するのは難しい。否定した理由を聞かれることが多いからです。なので、コミュニケーションの上達、という目標の上では、肯定を優先するようにしました。といっても、あらゆる話題を肯定する必要はなくて、自分の主義主張と合わないものについては無言でいたらいいと思います。

それと、相槌を打つ時に気をつけていたのは、動作です。レパートリーや発言数が少ないと、表現できる幅も狭くなります。なので、動作でそのへんの不足をフォローするのです。例えば、すっごく分かる~~!というときは、大きくうんうんうんって頷いたり、ふーん、それでそれで?と話を促すときは小さくうんってやります。相槌が白々しくならないために、このへんも同時にやるといいかなと思ったのです。表情が硬くても、あなたの話を聞いてるよ、ということが示せれば、あんまり嫌われたりとかはないし、上手くいけばちょっと好感をもってもらえます。

 

この段階では、4~8人くらいの集団に紛れるほうがうまくいきます。誰かが喋ってるのを適当に黙って聞いていればいいので。そして、周りの人のコミュニケーションを観察して、技を盗みます。ああいう表情がいいのか、このノリが盛り上がるのか、とか。

(ただ、私は人が怖かったので、大人数に紛れるのがものすごく負担になりましたし、コミュ力の高い大学生というものにたいして非常に苦手意識を持っていたので、観察するのも疲れました。あんまりしたくなかったです。)

 

 そうやって相槌が打てるようになったら、こんどは自分の意見を聞いてもらうことにチャレンジです。これもまた、肯定から始めます。ここで使うのは「分かる~」「私も◯◯だった~」です。誰かの話に乗っかっていくんです。ここで気をつけないといけないのは、長々と話さない、難しい言葉は使わない、声は高めに、です。私はそれまで書き言葉に親しんできたので、話すときもついつい書き言葉調になりがちでした。けど、書き言葉って、耳で聞くのにはあまり向いてないことが多いのです。句点が多い文章、結論が最後に来る文章は、耳で聞いてもなかなか理解できないことも多いと思います。なんか途中でややこしくなってきちゃうんですよね。また、難しい言葉(というか、書き言葉でしか使わないような単語)も、耳がその発音に慣れてないので、聞きづらいです。なので、口で話すときは、結論をまず最初に持ってきます。それでそのあと、余裕があれば理由とかを付け足していきます。できるだけ平易な言葉で、言いたいことを短い一文に区切っておくといいかんじでした。

例をあげると、「私最近眠れないんだよね」という話題に乗っかるときは、「私も最近運動不足によるものなのかなにかしらのストレスが蓄積されているのかそのあたりはわからないけれども、とにかく睡眠を取ろうと横になっても眠れないんだ」みたいにいうとか、かたい!長い!!ってなるので、「分かる~私もそうだよ」と肯定してますよっていうのを先に伝えておいてから、「運動不足なのかも」「ストレスかな」と続けると良いです。これって、最近のインスタントメッセンジャー(LINEやTwitterみたいなやつ)でよく使われている話し方で、そういうやり取りに慣れた人も多くなってきていると思うし、そこに近づけていくイメージでやっています。あと、会話の最後に「あなたの不眠は何が原因なの?」「どうしたらいいだろう?」と質問や相談で終わるとその後相手が話を引き継いでくれるので楽ちんです。

 

 それから、声の高さですが、声って低いと相手に届きづらいです。特に周りの騒音が大きいところでは全く聞こえないので、地声が低い人は意識してすこし高めに出すといいです。高めに出すと、自然に声が張れるし、低い声よりも威圧感が減るので、そういう部分でもオススメです。あと話す前に息を吸い込んでおくと、話し出したとき自然に口がすこし大きめに開いて話し方がボソボソってなることが減ります。

この段階は、3~4人でやるといいです。自分の話をさせてくれる余裕のある人数でないと、途中で自分の話を遮られたり逆に自分の話に乗って来られて横取りされたりして、しょぼんってなるので。

 

 このへんまで来ると、なんとなく周囲の人間が好む話題の傾向や、テンションの高低が分かってきます。テンションを合わせて、相槌が打てれば、知らない話題が出ても怖くないです。知らないことがあるのはむしろラッキーで、質問返しという必殺技が使えるのです。質問返しは、あんまりしゃべらなくていいのに、積極的に会話に参加しているようにみえるお得な技です。

 

 ここまできて、課題「2.とっつきにくい」というのと5「.流行りにのれない」というのはまあまあクリア出来ました。「6.オチがない」についても、自分で落ちを付ける前に人にどう思う?あなたならどうする?みたいに振っちゃえばどうにかなることがおおいです。もしくはオチの付け方を誰かから盗むこともできなくはないです。「1.人が苦手」については苦手なまま付き合うしかないと割り切るようにしました。

あと、相手の目を見るのが苦手というのもありましたが、鼻とか眉間とかあごとかみてれば何とかなります。大人数に混じっていて相手との距離があるときとかは鎖骨でも問題無いです。 

 

 コミュニケーションって経験値による部分が多いのかなって私は感じました。いままで苦手意識を持っていたので、自然と話すことを避けてしまい、ますます経験値がたまらなかったんですけど、ちょっと交流するようになると、自分に向いているコミュニケーションの取り方とか、集団で話すときに自分にピッタリのポジション(まとめ役、盛り上げ役、相槌役とか)がわかってくるので、そこが分かると毎回毎回手探りで、ということは少なくなってきます。

コミュ力の高い人への苦手意識、コンプレックスもありましたが、よくよく観察すると彼らの言ってることって内容が薄いのではってイメージを持ちました。彼らは私にできないことをするし、すごいけど、別にすごくないんです。訓練したら彼らとの差も縮められるんじゃないかなって思っています。

 コミュニケーションにかぎらず、こういうコンプレックスを克服したり、軽減することも、コミュニケーションへの苦手意識改善につながっている気がします。自分に自身を持てると、話すときのおどおどさが減って、態度も口調も滑らかになったと思うから。

 

 現在の私の課題は、今まで肯定に重点を置いて訓練してきたからか、なんかすごい舐められる、ということです。とっつきにくさがコンプレックスだったために、穏やかさを演出する方に偏っていたけど、これからは威圧感や俺に触れたら怪我するぜ的な鋭さも追求していきたいところです。またこういうインスタントコミュニケーションのスキルだけでなく、しっかり自分の意見を言えるよう、自分の気持をちゃんと伝えられるよう、見せかけだけでない説得力を持たせられるような訓練もしないとなあって思います。 なにかいい方法とかアドバイスがあれば教えて下さい。

 

追記

オチの付け方について、私は関西圏だからか、結構身の回りでもきっちりオチをつけたり、笑いを取ったりする人は多く、笑いが取れれば好感も上がるので、他人任せにせず出来るようになったほうがいい、というのはあります。でもオチを付ける、笑いを取るというのはほんとに難しいです。最近のバラエティとかでも、笑い=誰かをいじること になっていることは多いな、私はしたくないしされたくないなって感じているのですが、笑いに対してそういう意識のある人の前で、誰かをいじらずにオチを付け笑いを取るのは難しいです。誰かを傷つけないようにと注意を払うのは、コミュニケーションそのものに慣れて、そちらに意識を集中させなくていいようになって余裕が出てからがいいと思います。

私はむかしから変わっていると言われてきたので(いい意味か悪い意味かは知りませんけど)、それを逆手に取って自分をいじったり、ちょっと変な言動をすることで笑いを取ることが多いのですが、プライドが高く打たれ弱いので、すべると相当ダメージが大きいです....。集団に馴染むことを目標にするなら、オチとか笑いとかは別になくても問題ないことだとは思います。