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BL、生活、その他いろいろ

アセク・ノンセクさん向けオフ会を企画した話

 日、アセク・ノンセク(かも)さん、アセクノンセクフレンドリーさん向けのオフ会を企画しました。オフ会の企画は初めてで色々考えたことがあったのと、とても楽しい時間をすごくことが出来たのと、こんな私でもオフ会主催できるんだ!ということについてちょろっと記録しておきたいと思います。

 

◯発端

 関東の方でアセクノンセクオフをされているのをみて、う、うらやましい....!と思ったから。わたしは関西在住ですが、こちらの方ではあまりオフ会をやっていないっぽいので、じゃあないなら私がやればいいのでは!と思い立って企画しました。

 

◯企画の目的決定

 企画しようと思い立ったものの、私はメンタルの上下が激しく、体調もよくないことが多いし、体力もコミュ力も時間を守る能力もないので、オフ会への参加というもの自体にすごく抵抗がありました。そのうえ「主催」となってくると、もうハードルはものすごく高い。参加者として行くだけなら、最悪ドタキャンすればいいわけですが、主催が休んじゃったらもう全部おじゃんになってしまいますよね。なんというプレッシャー。

そのようなプレッシャーに負けないために、まず、できるだけ私に負担がかからないような内容にする、ということを再優先に考えました。かつ、私みたいな人にも参加しやすいような会にしたいなーとも思ったのです。

具体的には、

1.遅刻・早退・当日キャンセル可にする

2.参加人数の把握が必要ない内容・場所で開催する(参加費や予約が必要ない)

3.会の時間は2時間以下

4.参加者負担のお金や準備がそんなには必要ない

 (キャンセルへの心理的抵抗を少なくする)

5.会では話しても話さなくても何してもok

などなど。

 

◯企画の内容決定

 以上の目的を叶えられるような内容ってなんだろう....と考えた結果、

公園でピクニック(ご飯食べる) or  公民会みたいなところでお菓子食べる会

のどっちかがいいな~と思いました。どちらも、交流するかしないかは自由、ということにしておこう。そのときに、しゃべる以外の目的(ご飯食べる)を設定しておけば、交流しない人でも、なんとなくその場にいられるかな~と考えました。

最終的にはピクニックに決定しました。

 

◯懸念事項

 1.場所について

 ピクニックの場合、野外なので、周囲の人に気を遣って話さないといけない場面が出てくる可能性があります。いわゆるセクバレ(セクシャルマイノリティであることを隠していたのに、周りの人にバレてしまった・セクマイだと認識されてしまった)の危険性があるわけです。しかし一方で、野外はオフ会参加者(私も含む)が変な人だった場合や、会内での揉め事があった場合、ささっと逃げやすいので、初対面の人が多い会では、安心に繋がるかなあという期待がありました。

 一方、室内でのお話し会は、個室でやる分セクバレの危険性も少なく、周りの目を気にすることなくのびのびお話できるという利点があると同時に、密室なので逃げにくい・話が弾まなかった場合気まずいという欠点があります。

 

 前述のとおり、今回は参加者が初対面同士であったため、「もしかしたら相手が危害を与えてくる人間かもしれないという不安」に対処できる野外での開催に決めました。

個人的な考えなのですが、ネットで知り合った相手が実際どんな人間かというのは、合ってみないと分からないんですよね。ネットでは非常によい人でも、会ってみたらすっごいクズで自分に危害を与えてくるような人間だった、というような可能性は否定出来ない(というか、そういうリスクは高い)と普段から思っています。なので、参加者さんたち、そして私の安全を第一に考えたいと思ったのです。

 

 しかし企画段階では気づかなかったんですが、野外って天候に左右されるんですねー。企画日の天気予報がずーーーっと雨だったので、当日まで、もし雨になって中止にせざるをえなくなったらどうしよう!とものすごくそわそわ不安に思いながら過ごすこととなりました。

 

◯当日

前日に、集合場所と、私の服装を画像付きでお知らせしておいたのですが、集合場所がわかりにくく、みなさんを困らせてしまう結果となりました。反省。それから、下見を全然してなかったので、どこでピクニックするかとか参加者さん任せにしてしまって、結構ぐだぐだ~とした始まりになりました。

わたしが主催として当日したことは、大きめのシートを持っていくことと、ネームプレートを準備したということの2点です。すごく楽ちんでした。さらっと自己紹介をした後は、みなさんお好きに交流したりしなかったりご飯食べたりお菓子食べたりしてくださーいというかんじで、これまた参加者さん任せの会になったのですが、参加者のみなさんがすごくいい人達ばかりで、いい感じの会になったので、結果オーライです。よかった。

 

◯実行してみた感想

 すごく楽しかったです。

参加者のみなさんが非常に良い方でした!もし差別発言や問題行為をする人が混じっていた場合どどどどどうしよう私には対処できない....とか思ってたんですが、杞憂だったどころか、みなさんすごくやさしくて、協力してくださってありがたや....ありがたや....って感じでした。

 

 今回のオフで良かったところとしましては、「参加してる人全員がアセクかノンセクか、もしかしてアセクノンセク?と感じている日とか、アセクノンセクフレンドリーである」という前提でお話したり出来たことです。普段わたしは、異性愛者の人の前でもLGBTの人の前でも、自分がアセクシャルだってことは隠しています。LGBTでもアセクシャルってものを知らない人も、理解がない人も沢山居るし、そういう人達にわざわざ「わたしはこういうセクシャリティでして」と説明するのも嫌いです。黙っていれば「異性愛者でしょ」「レズビアンでしょ」と言われてしまうんですけど、それでもハハハと流してしまうタイプなんです。わたしのパーソナリティを知ってもらう上でアセクシャルでもあるとカミングアウトすることは、いろんな面倒ごとを起こすから

。だけど、今回はアセクノンセクしかいないということが分かっているわけなので、とても気楽でした。

具体的に言うと、

1.カミングアウトしなくても、アセクかノンセクかクエスチョニングとして扱ってもらえる

2.女性アイドルが好きなんです!!!!!と言っても、じゃあレズビアンじゃないの?とか言われない

3.男性俳優が好きなんです!!!!!と言っても、アセクなのに男性好きなの?ヘテロ??と言われない

4.BLが好きなんです!!!!と言っても、性嫌悪のくせにBL(=性描写が多いものというイメージのもの)読むのおかしくない?とか言われない

5.恋愛描写が苦手なんです、と言っても腫れ物扱い・めんどくさい人扱いされない

6.外見や趣味につなげて、モテがどうのこうの言ってくる人がいない

7.恋愛話がないので、うわ聞きたくないわ~知ったこっちゃないわ~と思いながらも笑顔で相槌を打つことや、反応することを強いられるような場面がない

8.短時間・低費用・ゆるさがすごい回だったので、気をはらなくても良かったところ

9.公園で開催したので、親子連ればかりで、若い男性やおっさんに絡まれる心配がなかったこと

など!これって結構ありがたいことなんですよね。一つ一つは小さなことに思えるかもしれないんですが、わたしは日々こういうことを言われたりして、それが積もりに積もって死!!!!!ってなったりするので、本当にこんなストレスレスな場所ができるなんて~と幸せでした。

あとピクニックが楽しかった。

事前連絡で当日の情報をおおかた伝えておいたため、当日慌ててすべきことがなかったというのも、主催として気楽にいられた理由の一つでした。このやり方は、前日や当日にはよくテンパる私にはとても効果的なやり方でした。

 

 反省点としては、

1.アセクノンセクオフと言いつつセクシャリティの話をあまりしなかった

 (わたしが趣味の話ばっかりしていた)

2.1に関連して ファシリテーターをすべきだったのかもしれないということ(ファシリテーター=会議とかで議事進行や準備を担当する人で、会議中には中立な立場で議論には参加しない人 ざっくりいうと司会みたいなひと)

3.わたしはたのしかったけど、他の人がどうだったのか分からない

4.二時間で解散、という気軽な会にしたかったとはいえ、本当に二時間で解散してしまってよかったのかということ(二次会をすべきだったのかということ)

5.わたしが一番楽していたこと(主催のくせに解散後一番にささっと帰った)

6.野外ということに不安を感じていた人がいたかもしれないこと

どなど。

これは次回への課題としてどうにかしたいと思っています。

 

全体的には、わたしは超楽しかったので、思い切って企画してよかったなーと思いました。あと、出来ないことの多いわたしにも企画できるということは、他の人も出来るんじゃない!?とオフ会へのハードルが下がったことと、もっと関西でオフ会しよう!という期待があがったことです。

 

次は公民館の個室オフや、関パレに適当に参加するオフとかができたら良いなあーと思っています。おしまい。

「大好きな友達に恋人ができたとき、その恋人を呪ったことありますか?」

 だいすきな同性のともだちの恋人を呪ったことありませんか?わたしはあります。

 

大好きな友だちがいるんです。女の子で、中学の時に一番仲が良かった子です。ちゅーできちゃうくらい大好き。もう大好きで大好きでたまらんのですが、

もし、この子に、好きな人ができたらどうしよう・・・・そんで彼氏なんかができちゃったりしたら・・・・どうしよう!!!!!!いやだーーーーー絶対いや!!にくい彼氏がにくい!!!!!!!私のほうがあの子のこと好きなのに!!!!!!!!!!!!!呪うしかない!!!!!!呪う!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 と、なるわけですが、ここでふと、こんなことを考えるのは私だけなんだろうか、みんなも呪ったりしてるよね?という疑問が浮かびましたので、先日(といってもだいぶ前ですが)Twitterでアンケートを行いました。

 

その結果がこちら

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 結構みんな呪ってますね!という結果となりました。

 予想以上の人が投票してくださってびっくりです。

 わたしのタイムライン上にあったときは、呪ったことないという人が優勢だったのですが、RTで拡散されていった先で、呪ったことあるの方に転じたようです。

 

 

とういわけで、みなさん結構呪ってるということが分かり、わたしのこの感情もそんなに変なものではなかった!ということが分かったので、今後も呪っていきたいと思います!

私の名前はお姉ちゃん

 ここ数年、年末は祖父の知り合いのお店でお手伝いしてるんですが、そこでわたしは「お姉ちゃん」と呼ばれています。

 

 わたしの祖父は地元ではそこそこ顔が広くて、父はその長男、いっこ下の弟も長男、という家族をもつわたしは、どこへいっても「◯◯さんのところのお孫さん」「××くんの娘さん」「□□くんのお姉ちゃん」という呼ばれ方をしていています。祖父の孫として紹介されて、相手からも色々聞かれたりするけど、多分そうやってわたしを呼ぶ人達はわたしについて聞いても名前すら覚てないと思います。なにか頑張っても、「◯◯さんのとこの子はできが良いね」「自慢のお子さんだね」という言われ方をするから、まるで祖父たちの手柄みたいで、小さい時からすごく不満でした。わたしが頑張ったんだからわたしが自慢すべきでしょ!

 

 このまま地元にいる限りわたしは「◯◯さんのとこの子」でしかなくて、将来誰かと結婚したら今度は「◯◯さんのとこのお嫁さん」になるんだろうな(そして子どもを産んだら◯◯ちゃんのお母さん)と考えてはぞっとしていた当時の暗い気持ちや気持ち悪さは今でも鮮明に思い出せます。

 

 ネットで「しおり」というわたしが存在していて、しおりちゃんと呼んでくれる人がいて、親族の話をするときも「わたしの◯◯」という言い方ができるのは、すごく自由だなと、年末には特にしみじみします。お姉ちゃんと呼ばれる場所から帰ってきて、Twitterなんかを見ると、あー今はもうわたしは自分のことをわたしと呼んでいいんだ、よかったなあ一日が終わったなあという安心感に包まれるのです。

 

 

追記

お手伝いも無事おわり、今年もわたしはわたしとして年が越せます。ありがたいことです。

今年も一年、わたしのブログを見てくださった方がいてうれしかったです。ありがとうございました。slash・shipperのエントリがすごく伸びたのでしめしめと思っています。

むかしは、自分の名前ではなくて◯◯の子という言われ方をする点で、菅原孝標女に勝手に親近感みたいなものを持ってたんですが、今はこうやって自分の名前で文章がかけてよい時代に生まれたなーらっきーと思っています。

来年もよろしくお願いします。

にきび

 きびが出来ました。口の横っちょに、白い膿がぷくっと溜まる、典型的なにきびがぽつんと。

 

 にきびが出来た時、鏡を見ながら思い出すのは中学生時代のことです。その年齢の頃って、みんな多かれ少なかれにきびに苦しむ時期ですが、わたしも鼻の横とか、おでことかにぽつんとできることもありました。友達の中で一番にきびが多い子は、常に顔に白い膿の塊が3つくらいあって、痛そうだなあと思っていた記憶があります。わたしはにきびをすぐ潰しちゃうんだけど、その子は潰さずに、きちんと毎日薬を塗ったり化粧水で保湿したりして、膿が自然ところんと取れるまで丁寧にケアしてる子でした。顔には出来立てのにきびも治りかけのにきびもあって、一つ治ったら次のにきび、一つひどくなっても他のは綺麗に治る、みたいに繰り返していました。

 

 その子ってにきび以外のことについてもそうで、じっくりケアすることができるし、それをそっと置いておくことも出来るみたいなイメージのある子でした。出来る、というか、ケアしたりそっと置いておくことが当たり前だし、それにリソースを割ける。周りの人も当たり前のようにそうやっていて、お互い支あいながら出来る環境にいる子って言ったほうがいいかもしれません。あの子はそういう環境で育ってる子なんだな、いいな~と中学生の時から思ったりしていたのでした。

 

 わたしはそれは顔にぽちっとしたのが存在するのがいやで、見つけ次第なくしてしまいたいし、多少痛くても気にせず、潰したほうがらくちんだし、わざわざ薬探しに行って買うものなんかやだし、もし将来跡が残ったらファンデーションとかで隠してしまえばいいかな、と思うのですが、なんとなく、それがわたしで、そしてあの子との違いなのかもしれない、とぼんやり思うのでした。

 

 

追記

さっきお風呂に行ったら、えっこんなとこにもにきびって出来るの!?みたいな変なとこにもにきびができててびっくりしました。みんなもこういうとこににきびが出来たりするのかな、もしあの子も同じ所ににきびができたことがあるなら、なんか親近感わくな、と思いながら潰しました。

Perfumeのライブに初めて行ってきた!

 日、Perfume10周年記念ライブの最終日に参加してきた。わたしは基本家で曲を聞いたり動画を見たり情報を追いかけたりする、いわゆる在宅ヲタで、ライブに行くのはハードルが高いなあと思うタイプだったのだが、ありがたいことに知り合いの方に声をかけてもらい、思い切って参加してきた。

 

 感想としては、めちゃくちゃ良かった!!!に尽きる。めちゃくちゃよかった!!!!!

ライブ当日までもかなりうきうきそわそわしていたのだが、会場についてからライブ開始までの40分くらいの間ももう恥ずかしいくらいあわあわしていて、ああリアルタイムでライブに参加するというのはこんなにドキドキするのだなと思った。ライブ開始後、舞台に登場した3人を見た瞬間は非常に興奮したのだけど、特にかしゆかちゃんの髪の毛の一房一房が光にすかされてくっきり見えた瞬間、なんて神々しい!こんなものをこんなに近くでくっきりと見ているなんて!!なんてすごいものを見ているんだ!!とおそろしいほどの感動に心臓が痛くなり、もう死ぬかもしれないだめだ帰りたい、と思った。いや帰らないんだけど。

在宅ヲタ的に一番驚いたのは、モニターで見るよりも肉眼で見るほうが画質が良かったということだ。席が舞台から50mほどの距離といういいかんじの場所だったこともあるけども、肉眼!肉眼ってすごい!!ととにかく感動した。

ライブに行ったら、絶対泣くと思ったんだけど、実際行ってみたら、泣いている暇なんかなかった。動画や画像とは違い、ライブは巻き戻しも一時停止も出来ない。一瞬でも目をそらしたらなにかとても素敵な瞬間を見逃してしまうかもしれない。そう思うと、泣いて視界を曇らせることなんて出来なかった。最初から最後まで、うるっときても気合で涙を引っ込めて目を凝らして3人を見ていた。それから終わった後にちょっと泣いた。

 

 私は普段Perfumeを女神さま.....!!と拝み倒しているのだけど、ライブに行って、ああ3人は生きているんだなあと思った。女神のように美しいという認識は変わっていない。むしろ、生きて私の前に存在しているということが更に尊さを感じさせ信仰を深めることになったようにも思う。ライブ中も気づいたら胸の前で手を組んで拝んでいた。胸が苦しすぎて祈るしかない...!って瞬間も多かった。

ただ、私がどれだけ3人を女神と奉っていても、神聖化してコンテンツ化していても、3人は人間なんだなあと思った。

 

 10周年ということで、ライブの最後に、あーちゃんが今までの活動を振り返ってコメントするというシーンがあった。インディーズ時代も含めPerfumeというアイドルは15年間活動している。「自分たちがしたいことができるようになるまで」やり続けてきた、疑問に思いながらやった仕事もあった、というようなこと

Perfume、地元広島で10DAYS完走「ほんまにもう幸せ」 - 音楽ナタリー

を言っているのを見て、私はとても嬉しくて、苦しかった。

(追記 後からゆうりさんという方のエントリを読んだのですが、こちらのほうが詳しかったのと、ほんとにそうですよね....って思ったので貼っておきます。)

pa2mceb.hatenablog.com

 

 Perfumeが、まだ「アイドル」でいてくれることが、まず嬉しかった。最近のPerfumeは、「テクノポップユニット」と言われることが多く、パフォーマンスのクオリティの高さや、最新技術を使ったステージ、大人っぽくスタイリッシュな衣装なんかを売りにしていて、「アイドル」というものとは一線を画している、というイメージが強かった。それは少し残念だったが、アイドルが26、27歳まで活動しようと思ったら、「アイドル」から抜け出すことが必要なんだろう、という諦めがあった。

 

 「女性アイドル」の地位は低い。年齢が低いということもあるのだろうか、テレビなんかではいつまでたっても添え物扱いだったり、見た目だけのバカで変な女の子という扱いから抜け出せなかったりする。ゲストとして迎えられているはずなのに、嫌な弄られ方をしたり、司会を喜ばせなければならなかったりする。仕事も結構きつい。水着や露出の多い衣装で胸や足を強調したグラビアを撮ったりするのも普通だし、パフォーマンスでは大人と同じようにプロであることを求められる一方で、制服を着たり幼さや無知さなどの「若さ」を提供しなければならない。ばかみたいな仕事も笑顔でやっている。そして、「若さ」がなくなったころ、彼女たちは「アイドル」を卒業する。卒業しなければならないという「常識」ができてしまっている。

 そういった今の「アイドル」としての現状を打開し、長く続けていくには、「アイドル」から抜け出す必要があるのだろうな、と常に思っていた。逆に言えば、「アイドル」でいつづけるかぎり、「アイドル」という縛りから自由になれず狭い世界で活動していくしかないんだろうな、とも思っていた。だから、Perfumeが「アイドル」から「ダンスユニット」になっていって、曲調がかわいい感じのものから大人っぽくかっこいいものばかりになっていっても、仕方ないと思っていた。

 

 だけど、Perfumeの3人は、アイドルでいてくれた。そしてアイドルとして活動しはじめて15年、10周年を迎え、今後も活動していくという意志を表明してくれた。それがものすごく嬉しかった。これはものすごく貴重なことなのだ。10周年ライブの、最終日に参加し、そういう言葉を聞けたことはものすごく素晴らしいことだった。あーちゃんが泣いているのを見て、めちゃくちゃ胸が苦しかった。ライブ中は耐えたけど終わった後じわっときて泣いた。Perfumeの将来と、アイドルの将来を思ってほんとうに嬉しくて痛かった。

 

 アイドルがアイドルとして10年以上活動するというのは本当に稀なことである。「アイドル」であった頃を恥じることなく、その時のかわいさもあり、現在の大人っぽさもあり、古参から新規まで幅広いファンを楽しませてくれるというのはものすごいことだ。若さだけを売りにしてない。体を売りにしてない。ダンスと、歌と、笑顔で15年。ほんとうにすごい、ありがとうとしか言えない。

私はアイドルの活動期間や成人したアイドルについて語るとき、Berryz工房の「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」を思い出す。正直リアルにつらい。詳しくは動画を見てね。

www.youtube.com

Berryz工房は今年の3月で、11年の活動に幕を閉じた(追記 幕を閉じたと書いたが、「無期限活動停止」であり解散ではない。メンバーの熊井友理奈ちゃんが最近王様のブランチのリポーターになったのだが、その際「Berryz工房熊井友理奈」という自己紹介で、テロップでもそのように出ていたらしく私は嬉しい)。ハロプロメンバー入りのときから数えれば13年である。そのあと、ももちこと嗣永桃子ちゃんは、新ユニットのカントリーガールズに移籍して今も活動してるんだけど、カントリーガールズとして10歳年下の子と活動する中で、年齢のこと(もう若くないんだということ)、「アイドルの賞味期限」について度々言及している。若くないって言ったってまだ23歳である。23歳!若いよ!それでも、アイドルといえば中高生というイメージだし、一番美味しい時期は「17歳」とか言われてるし、18歳のメンバーたちも既に将来に不安を持っているということを考えると、「アイドル」業界で「23歳」という年齢は厳しいものなのだろうと思う。

 

 若干話はそれたが、そう考えると、26、27歳の3人が今までアイドルとして、そしてこれからもアイドルとして活動していくということがものすごいことなんだと思う。「アイドル」ファンは、自分の推しがいつ卒業してしまうのか、常に不安を持っている。来年だろうか、いやもしかしたら今日かもしれない。恋愛とかがスキャンダルとして取り上げられてしまえばもう次はないかもしれない。非常に不安定で、シビアな世界だ。応援したくても、応援できなくなる日が来るかもしれない。年齢なんて、恋愛なんて全然気にしてないのに。大人になる君たちを、歌って踊る君たちを見ていたかっただけなのに。脱がなくてもいい、バカを装わなくてもいい。周りに気を使わず自信を持って堂々としているだけの実力があるのに。変な衣装を着せられて変な台詞を言わされなくてもいい。一番魅力的にみえる姿にしてくれるスタッフや環境でのびのびやっていてほしい。

 

 そういうファンの願いまでも、叶えてくれるのが今のPerfumeだった。すごく貴重なのだ。すごく素敵なのだ。魅力的で、笑顔が可愛くて、ダンスが上手で衣装が可愛い。スタッフも凄腕ばかりで、常に本人たちのよさを引き出すプロモーションが出てきている。努力して、成長して、そういう風になっていく姿を見ていけた。正直、そういう過程まで含めてコンテンツとして楽しむことに罪悪感はある(この話はまた後日改めてしようと思う)。しかし3人はそういう私の勝手な罪悪感をも吹き飛ばすくらいのしっかりとした経験や努力を積み重ねてきていて、強く、輝いていた。そんなアイドルのファンでいれて、本当にうれしい!!!!!と改めて実感した一日だった。超楽しかった。

 

 

追記 

あまりにもライブの様子をレポートしていなかったが、セトリはもちろん、「すごろく」も面白かったし、なにより照明やレーザービームの演出がすごかった。これに関しては私が文字で説明するよりも映像で見たほうが絶対にいいと思うので、DVD見てください。WOWOWでの放送もあるよ。一つだけ言うとしたら、Seventh Heavenの時に、レーザービームので星空のようなものが三人の足元に広がるという演出があったんだけど、それが息を呑むほど美しかった。これが映像になるとしたら、きっと上からのアングルで撮った、3人が星空の上に立っているように見える映像になると思うんだけど、私はアリーナのコート?の方にいて、舞台の上の三人を見上げる形でいたので、自分の頭上に広がるレーザービームの星空を下から見ていて、そしてその美しい星空越しにPerfumeの3人を見るというものすごく幻想的なシーンを見ることが出来た。まさに天国へ....って感じで、そこが私の中での一番の演出だった。

Seventh Heavenに限らず全体を通してもうほんと幻想的すぎて、終わった後も、えっ終わったの...えっ3時間も経ってるの!?嘘だここだけ時空ゆがんでるんじゃないのって思ったし、アリーナを出て「ご飯どうします?」って聞かれた時に、あっそういえば私ご飯食べないと死んじゃうんだった現実を生きてるんだったわ、みたいなかんじで、人間として日々活動してる現実を忘れてたくらい茫然自失というか、もう夢見心地で、ホテルでこってりカップラーメン食べたあたりで、やっとあっそうそう私こういうごはん好きな俗物でしたわ...って思いだしたくらい、もうほんと余韻もすごくて今思い出してもあれが現実だったのかちょっと自信ない。ていうくらいすごかったです。