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BL、生活、その他いろいろ

誰にも邪魔させない系溺愛執着ヤンデレBLのススメ(1)

 ヤンデレが好きです。とても好きです。相手のことが好きすぎるあまり常識を逸した行動をとってしまう。殺したいほど愛おしい、愛おしすぎて不安になる、相手が自分のものにならない苦しみに泣いて喚いて、相手を手に入れるためならなんでもしてしまえる、それが相手をも苦しませることになっても―――  人によって定義は違うかもしれませんが、ヤンデレがとても好きなのです。特に、幼なじみヤンデレ、近親相姦ヤンデレが大好きなんですが........

世の中には、幼なじみや近親相姦ものと思わせておいて、あとから出てきたキャラが受けをかっさらう系BLって多いんですね!?受けは小さい時から隠れヤンデレ幼なじみもしくは兄弟に溺愛され過保護に育てられていて、という思わせぶりな導入から入ったのに、進学を機に受けは健全な思考のクラスメイトと仲良くなっちゃって、幼なじみ・兄弟のもとからサラッと独立、クラスメイトと幸せにくっついてハッピーエンド♡というようなアレ、よく見ます。そういう作品にあたってしまった時は、読後に全くもってひどい詐欺だ!思わせぶりなあらすじはやめろー!私はそんな爽やかエンドを求めていたわけじゃないのに!私が読みたかったのは生まれてから死ぬまで共依存べったりらぶらぶヤンデレBLなのに!ぽっと出のキャラなんかに二人の仲は邪魔されないBLがいいのに!!!!!とやりきれない気持ちになり、過去に出会った最高のヤンデレ作品を読んで自分を慰めています。

 

 そんなわけで、今回はいつも私が慰みに読んでいる、過去に買った中で好みだったヤンデレ作品のレビューです。あとヤンデレお探しの方への宣伝。

(URLはBLレビューサイトちるちるの各作品説明ページに飛びます)
今回は6冊!

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1.『たとえ偽りの運命であっても』いとう由貴さん
http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/43499/

 超エリート実業家貴族×名家の落ちこぼれひねくれ地味眼鏡いじめられっこ。従兄弟ものです。優秀な家族の中で唯一落ちこぼれなアレクは、家でも学校でも疎まれ貶められいじめられている。つらくて悲しい人生の中で、アレクに優しくしてくれるのは従兄弟のレナードだけ。レナードだけが自分を愛してくれる。救ってくれる......というところから始まるお話です。割りベタかも。攻めのレナードは、長年受けのアレクを孤立させ、自分だけに依存するように仕向けてきた典型的な粘着策士型ヤンデレです。受けに友達が出来たと聞くやいなや、嫉妬セックスででろんでろんにして閉じ込めたり、哀れっぽく泣いてみせて受けを束縛したり、お約束というか、安定した展開になっています。もちろん、策士レナードの手回しのお陰で二人を邪魔するものは現れませんし、しっかり両思いCPなので、安心してヤンデレ共依存が楽しめます。レナードいい仕事してる。自尊心の低い受けが溺愛されてとろとろにされたところを絡めとられて拘束される(しかも合意で!)共依存ヤンデレがすごく好きなので、この作品はとてもお気に入りです。あと挿絵が門地かおりさんでアレクがショタっぽさ漂う容姿で描かれてるのもポイント高い!
余談ですが、この作品は、いとう由貴さんの『たとえ~』シリーズのうちの最新刊で、他のシリーズ作品とリンクしているようです。私は未読ですが十分面白く読めました。

 

2.『mother』丸木文華さん
http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/40653/

人気者で大会社の御曹司×天真爛漫な天使、のちに人間不信のひきこもり。
これも挿絵が門地さんです(門地さん表紙の小説で背表紙が黒かったら高確率でヤンデレものです)。誰にでも優しく、天真爛漫で天使と呼ばれていた真司は、高校卒業間際にレイプに遭い、ひどい人間不信に陥ってしまう。そんな真司を支えてくれたのは親友の塚越で・・・・というあらすじです。真司は高校時代に、塚越のトラウマ(コンプレックス)を天使のような純真さで受け入れることで、周りが引くくらい盲目的に気に入られてしまうんですが、その盲目さに気づかず綺麗なまま高校卒業を迎えた真司を、どうにか自分のところまで引きずりおろし、捕まえるためになんやかんや塚越がしてくるわけです。なんやかんや犯罪ギリギリアウトなことをしてくるわけです。真司は、レイプに遭ったあと、起きたことのショックさと、アナルでの快感に目覚めてしまった後ろめたさ、フラッシュバック、更に天使と呼ばれていた昔の自分と今の淫らで汚い自分の差に死ぬほど打ちのめされ、傷つき、絶望していきます。自分は天使なんかではなくてただ無知なだけだったのに、本当はこんなに淫らで惨めな自分なのに、天使と呼ばれてきたつけが回ってきたんだと苦しんでいた時に現れ、今のこの自分をも天使だと言ってありのままに受け止めてくれた塚越に依存していくのですが、蓋を開けてみれば、真司を苦しめている原因の全ては塚越にあり、更に塚越に受け入れられていたどころか、自分が天使として塚越を受け入れることでこの関係は成り立っていたのだ、と気づいてしまいます。その事実に気づいてしまった真司のとった行動と、塚越のゆがんだ願望がタイトルにつながって、ウワー・・・という読後感が味わえる作品となっています。結構くせのあるストーリーかも。相手を手に入れるためなら受けがどうなろうとかまわないというような行動をとりながら、一方で自分の行為と相手の反応に罪悪感を覚え、苦しむ自己中心的で不安定な攻めがみられるヤンデレBLでした。

 

3.『鈍色の花』わたなべあじあさん
http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/32696/

 すごい近親っぷりが見られる作品です。あとショタ。弁護士長兄・バー経営次兄×高校生末っ子ものなんですが、長兄と末っ子は異母兄弟、次兄と末っ子は異母兄弟、かつお互いの母親は姉妹、父親は姉妹の異父兄ということで…つまり…なんかとてもすごい近親相姦なんですね。とてもすごい。この兄弟は、血を保つために近親婚を繰り返しているうちに、血の近い人間へ激しく執着する運命に縛られた家系の子孫だそう。なのでこのお話では、より血の近い次兄×末っ子CPの方が出番が多いです。相手に依存し依存されたいという欲求に抗い、苦しむけれど、やっぱりお互いから離れることが出来ない兄弟たちを描いた、とても良い共依存溺愛BLです。また、作者あじあさんレーベルピアスだというだけあって、話の大半はえっちシーン、プレイ内容も女装監禁3Pに失禁ショタと盛りだくさんになってます。今日はえろいヤンデレ読みたい!って時におすすめです。

 

4.『病みBL』
http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/43981/

海王社から出ているアンソロジーです。もうこれは色々説明するより表紙見たほうが早いかも。

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こんな感じ。メリバというやつですね。病みBLというタイトルですが、最早「死にBL」と言っても過言ではないほど人が死にます。誰かに邪魔される前に、誰かに相手を取られる前に、誰かに自分を征服される前に、お互いがお互いから離れて行く前に.....死んで終わる作品もあれば、死んでから始まる作品もあり、そこに共依存、SM、ストーカー、兄弟等々の要素が絡んでいくことにより本当にバリエーション豊かなヤンデレが楽しめる本となっています(もちろん誰も死なない作品もあります)。私のおすすめはSHOOWAさんの「I will be with you forever」。主人公がとても楽しそうに、日常生活にまぎれて常識を逸した行動をとっていく様が描かれていて、一見ポップに見えるんですが、内容の異常さとのギャップに背筋が寒くなる作品です。

 

 長くなってきたので残り二作は次の記事で!

 

続き書きました http://si0r1.hatenablog.com/entry/2014/03/08/224347