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BL、生活、その他いろいろ

誰にも邪魔させない系溺愛執着ヤンデレBLのススメ(2)

BL レビュー

 回のレビューの続きです。残りの二冊!

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 両方、宮緒葵さんの作品です。

 

5.地獄の果てまで追いかける 宮緒葵さん
http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/40932/

 以前書いた「ちくBL」でも紹介した作品です(その時の記事はこちらhttp://si0r1.hatenablog.com/entry/2014/02/10/031912)。
 女装バーのオーナー×トラウマ持ち女性恐怖症のお話。祐一は、幼い頃から毎日髪の長い女に首を絞められて殺される夢を見る。そのため女性恐怖症になってしまった祐一だが、その美貌のせいで女性にしつこく迫られることも多く、とても苦しい生活を送っていた。ところがある日、偶然訪れたバーでのオーナー・深見に気に入られ、付き合うことになる。すると不思議なことに、長年祐一を苦しめてきた夢を見なくなった。恐ろしい夢から開放され、深見との幸せな日々を送っていた祐一、しかし反対に深見の様子がおかしくなってゆき___というあらすじ。

 ここから思いっきりネタバレになります。

 この「夢」には、深見と祐一の前世が深く関係しています。平安時代、とある貴族である夫を愛すあまり、夫が他の女に取られ、私の元から去ってしまうのでは...という恐怖に取り憑かれた女性が、化け物に身を変え、夫を縊り殺し、誰にも邪魔されぬ地獄の果てまで夫を追いかけてゆく、という結末をむかえた夫婦がいました。その夫婦二人の生まれ変わりが深見と祐一でした。前世から誰にも邪魔させない系執着ヤンデレ感もりもりなんですが、深見さんも現世でも良いヤンデレっぷりを見せてくれています。前世から受け継いだ執念・祐一を殺してしまいたいという衝動と、現世での祐一に対する愛・理性の間で揺らぐ深見の苦しみようは、最早サイコホラーと言っても過言ではないほど狂気に満ちています。とてもおいしい。この狂気は前世からの妄念によるものかと思いきや、元々深見は嫉妬深く束縛が強い性質だったようで、前世の因縁から開放された後も変わらず祐一を縛り続けます。縛られる祐一の方もまんざらではないようで、おかしくなっていく深見に恐怖を感じながらも、深見の狂気を一生懸命受け止めようとし、深見が正気に返ったあとも変わらず愛し続けるのです。徹頭徹尾、誰にも邪魔させない系執着溺愛ヤンデレ攻めと、包容受けが堪能できるおいしい作品でした。前回のレビューでも少し書きましたが、この作品は、受け攻め間での女性役男性役、力関係や力関係の優劣が固定されることがありません。それがなんだか倒錯的な?雰囲気のある不思議な感じがして私は好きでした。

 

2.悪夢のように幸せな 宮緒葵さん
http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/32901/

 世話やき美人策士+兄貴系ヤクザ×トラウマ持ち高校生。これは本当におすすめの本です。
 幼いころ両親を亡くしてしまった一希は、以来又従兄弟であり初恋の人である柊慈の元で育てられる。ご飯も着替えもお風呂も、自慰も何もかもを大好きな柊慈にしてもらうその幸せと安心感に包まれて暮らしていた。柊慈はなんでもしてくれる、教えてくれる。一希が柊二の親友である功に恋をしていることも・・・。そんなある日、柊慈と功はヤクザからの襲撃を受ける。功の身代わりになり、重症を負った柊慈は人質として拉致されてしまう。絶望と悲しみに打ちひしがれる一希は、功に引き取られるのだがーーーーというお話。あらすじだけを見ると、近親相姦と思わせておいて後からワイルドな攻めに持っていかれる系BLじゃない!?あかんやつじゃない!??って感じなんですけど、違うんですねこれが!一希が柊慈のもとに引き取られてから、一希は柊慈から「常識」を教え込まれます。柊慈がいなければ一希は生きていけない、柊慈だけが愛してくれる、守ってくれる、幸せにしてくれる。両親が亡くなってから十数年にわたって刷り込まれた常識は、周りからは見えないところで一希を雁字搦めにし、柊慈以外とは幸せになれないと思い込ませていたのです。そんな一希に思いを寄せ、振り向かせようする功も大概ヤンデレなんですが、一希を自分のものに出来るなら自分の命さえも懸けることを厭わない、自分以外と結ばれるくらいなら一希が壊れてしまってもいいという柊慈に比べれば可愛いもんです。監禁するくらいじゃ一希を柊慈から奪うことは不可能なんでしょうね。刷り込み型ヤンデレものは数多くありますが、ここまでくると洗脳とか調教とかのレベルなんじゃないか、というほど。悪どいです。
 一旦誰かに奪わせることで、一生誰にも邪魔できないようにする育成型溺愛執着ヤンデレの極み!みたいな攻めが出てくるお話でした。柊慈も功も、タイプは違えど相当末期のヤンデレだし、一希も大分精神病んでるし、まともな人間はいないんだけど、そこがとてもおもしろかったです。

 

あと、最近読んだものなんですが、紺色ルナさんの『蝶よ花よ』、誰にも邪魔させない系ではないんですが、相当拗れた近親相姦ヤンデレでした。今は小嶋ララ子さんの『ゆめゆめ心中』も気になっています~。