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BL、生活、その他いろいろ

Perfumeのライブに初めて行ってきた!

 日、Perfume10周年記念ライブの最終日に参加してきた。わたしは基本家で曲を聞いたり動画を見たり情報を追いかけたりする、いわゆる在宅ヲタで、ライブに行くのはハードルが高いなあと思うタイプだったのだが、ありがたいことに知り合いの方に声をかけてもらい、思い切って参加してきた。

 

 感想としては、めちゃくちゃ良かった!!!に尽きる。めちゃくちゃよかった!!!!!

ライブ当日までもかなりうきうきそわそわしていたのだが、会場についてからライブ開始までの40分くらいの間ももう恥ずかしいくらいあわあわしていて、ああリアルタイムでライブに参加するというのはこんなにドキドキするのだなと思った。ライブ開始後、舞台に登場した3人を見た瞬間は非常に興奮したのだけど、特にかしゆかちゃんの髪の毛の一房一房が光にすかされてくっきり見えた瞬間、なんて神々しい!こんなものをこんなに近くでくっきりと見ているなんて!!なんてすごいものを見ているんだ!!とおそろしいほどの感動に心臓が痛くなり、もう死ぬかもしれないだめだ帰りたい、と思った。いや帰らないんだけど。

在宅ヲタ的に一番驚いたのは、モニターで見るよりも肉眼で見るほうが画質が良かったということだ。席が舞台から50mほどの距離といういいかんじの場所だったこともあるけども、肉眼!肉眼ってすごい!!ととにかく感動した。

ライブに行ったら、絶対泣くと思ったんだけど、実際行ってみたら、泣いている暇なんかなかった。動画や画像とは違い、ライブは巻き戻しも一時停止も出来ない。一瞬でも目をそらしたらなにかとても素敵な瞬間を見逃してしまうかもしれない。そう思うと、泣いて視界を曇らせることなんて出来なかった。最初から最後まで、うるっときても気合で涙を引っ込めて目を凝らして3人を見ていた。それから終わった後にちょっと泣いた。

 

 私は普段Perfumeを女神さま.....!!と拝み倒しているのだけど、ライブに行って、ああ3人は生きているんだなあと思った。女神のように美しいという認識は変わっていない。むしろ、生きて私の前に存在しているということが更に尊さを感じさせ信仰を深めることになったようにも思う。ライブ中も気づいたら胸の前で手を組んで拝んでいた。胸が苦しすぎて祈るしかない...!って瞬間も多かった。

ただ、私がどれだけ3人を女神と奉っていても、神聖化してコンテンツ化していても、3人は人間なんだなあと思った。

 

 10周年ということで、ライブの最後に、あーちゃんが今までの活動を振り返ってコメントするというシーンがあった。インディーズ時代も含めPerfumeというアイドルは15年間活動している。「自分たちがしたいことができるようになるまで」やり続けてきた、疑問に思いながらやった仕事もあった、というようなこと

Perfume、地元広島で10DAYS完走「ほんまにもう幸せ」 - 音楽ナタリー

を言っているのを見て、私はとても嬉しくて、苦しかった。

(追記 後からゆうりさんという方のエントリを読んだのですが、こちらのほうが詳しかったのと、ほんとにそうですよね....って思ったので貼っておきます。)

pa2mceb.hatenablog.com

 

 Perfumeが、まだ「アイドル」でいてくれることが、まず嬉しかった。最近のPerfumeは、「テクノポップユニット」と言われることが多く、パフォーマンスのクオリティの高さや、最新技術を使ったステージ、大人っぽくスタイリッシュな衣装なんかを売りにしていて、「アイドル」というものとは一線を画している、というイメージが強かった。それは少し残念だったが、アイドルが26、27歳まで活動しようと思ったら、「アイドル」から抜け出すことが必要なんだろう、という諦めがあった。

 

 「女性アイドル」の地位は低い。年齢が低いということもあるのだろうか、テレビなんかではいつまでたっても添え物扱いだったり、見た目だけのバカで変な女の子という扱いから抜け出せなかったりする。ゲストとして迎えられているはずなのに、嫌な弄られ方をしたり、司会を喜ばせなければならなかったりする。仕事も結構きつい。水着や露出の多い衣装で胸や足を強調したグラビアを撮ったりするのも普通だし、パフォーマンスでは大人と同じようにプロであることを求められる一方で、制服を着たり幼さや無知さなどの「若さ」を提供しなければならない。ばかみたいな仕事も笑顔でやっている。そして、「若さ」がなくなったころ、彼女たちは「アイドル」を卒業する。卒業しなければならないという「常識」ができてしまっている。

 そういった今の「アイドル」としての現状を打開し、長く続けていくには、「アイドル」から抜け出す必要があるのだろうな、と常に思っていた。逆に言えば、「アイドル」でいつづけるかぎり、「アイドル」という縛りから自由になれず狭い世界で活動していくしかないんだろうな、とも思っていた。だから、Perfumeが「アイドル」から「ダンスユニット」になっていって、曲調がかわいい感じのものから大人っぽくかっこいいものばかりになっていっても、仕方ないと思っていた。

 

 だけど、Perfumeの3人は、アイドルでいてくれた。そしてアイドルとして活動しはじめて15年、10周年を迎え、今後も活動していくという意志を表明してくれた。それがものすごく嬉しかった。これはものすごく貴重なことなのだ。10周年ライブの、最終日に参加し、そういう言葉を聞けたことはものすごく素晴らしいことだった。あーちゃんが泣いているのを見て、めちゃくちゃ胸が苦しかった。ライブ中は耐えたけど終わった後じわっときて泣いた。Perfumeの将来と、アイドルの将来を思ってほんとうに嬉しくて痛かった。

 

 アイドルがアイドルとして10年以上活動するというのは本当に稀なことである。「アイドル」であった頃を恥じることなく、その時のかわいさもあり、現在の大人っぽさもあり、古参から新規まで幅広いファンを楽しませてくれるというのはものすごいことだ。若さだけを売りにしてない。体を売りにしてない。ダンスと、歌と、笑顔で15年。ほんとうにすごい、ありがとうとしか言えない。

私はアイドルの活動期間や成人したアイドルについて語るとき、Berryz工房の「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」を思い出す。正直リアルにつらい。詳しくは動画を見てね。

www.youtube.com

Berryz工房は今年の3月で、11年の活動に幕を閉じた(追記 幕を閉じたと書いたが、「無期限活動停止」であり解散ではない。メンバーの熊井友理奈ちゃんが最近王様のブランチのリポーターになったのだが、その際「Berryz工房熊井友理奈」という自己紹介で、テロップでもそのように出ていたらしく私は嬉しい)。ハロプロメンバー入りのときから数えれば13年である。そのあと、ももちこと嗣永桃子ちゃんは、新ユニットのカントリーガールズに移籍して今も活動してるんだけど、カントリーガールズとして10歳年下の子と活動する中で、年齢のこと(もう若くないんだということ)、「アイドルの賞味期限」について度々言及している。若くないって言ったってまだ23歳である。23歳!若いよ!それでも、アイドルといえば中高生というイメージだし、一番美味しい時期は「17歳」とか言われてるし、18歳のメンバーたちも既に将来に不安を持っているということを考えると、「アイドル」業界で「23歳」という年齢は厳しいものなのだろうと思う。

 

 若干話はそれたが、そう考えると、26、27歳の3人が今までアイドルとして、そしてこれからもアイドルとして活動していくということがものすごいことなんだと思う。「アイドル」ファンは、自分の推しがいつ卒業してしまうのか、常に不安を持っている。来年だろうか、いやもしかしたら今日かもしれない。恋愛とかがスキャンダルとして取り上げられてしまえばもう次はないかもしれない。非常に不安定で、シビアな世界だ。応援したくても、応援できなくなる日が来るかもしれない。年齢なんて、恋愛なんて全然気にしてないのに。大人になる君たちを、歌って踊る君たちを見ていたかっただけなのに。脱がなくてもいい、バカを装わなくてもいい。周りに気を使わず自信を持って堂々としているだけの実力があるのに。変な衣装を着せられて変な台詞を言わされなくてもいい。一番魅力的にみえる姿にしてくれるスタッフや環境でのびのびやっていてほしい。

 

 そういうファンの願いまでも、叶えてくれるのが今のPerfumeだった。すごく貴重なのだ。すごく素敵なのだ。魅力的で、笑顔が可愛くて、ダンスが上手で衣装が可愛い。スタッフも凄腕ばかりで、常に本人たちのよさを引き出すプロモーションが出てきている。努力して、成長して、そういう風になっていく姿を見ていけた。正直、そういう過程まで含めてコンテンツとして楽しむことに罪悪感はある(この話はまた後日改めてしようと思う)。しかし3人はそういう私の勝手な罪悪感をも吹き飛ばすくらいのしっかりとした経験や努力を積み重ねてきていて、強く、輝いていた。そんなアイドルのファンでいれて、本当にうれしい!!!!!と改めて実感した一日だった。超楽しかった。

 

 

追記 

あまりにもライブの様子をレポートしていなかったが、セトリはもちろん、「すごろく」も面白かったし、なにより照明やレーザービームの演出がすごかった。これに関しては私が文字で説明するよりも映像で見たほうが絶対にいいと思うので、DVD見てください。WOWOWでの放送もあるよ。一つだけ言うとしたら、Seventh Heavenの時に、レーザービームので星空のようなものが三人の足元に広がるという演出があったんだけど、それが息を呑むほど美しかった。これが映像になるとしたら、きっと上からのアングルで撮った、3人が星空の上に立っているように見える映像になると思うんだけど、私はアリーナのコート?の方にいて、舞台の上の三人を見上げる形でいたので、自分の頭上に広がるレーザービームの星空を下から見ていて、そしてその美しい星空越しにPerfumeの3人を見るというものすごく幻想的なシーンを見ることが出来た。まさに天国へ....って感じで、そこが私の中での一番の演出だった。

Seventh Heavenに限らず全体を通してもうほんと幻想的すぎて、終わった後も、えっ終わったの...えっ3時間も経ってるの!?嘘だここだけ時空ゆがんでるんじゃないのって思ったし、アリーナを出て「ご飯どうします?」って聞かれた時に、あっそういえば私ご飯食べないと死んじゃうんだった現実を生きてるんだったわ、みたいなかんじで、人間として日々活動してる現実を忘れてたくらい茫然自失というか、もう夢見心地で、ホテルでこってりカップラーメン食べたあたりで、やっとあっそうそう私こういうごはん好きな俗物でしたわ...って思いだしたくらい、もうほんと余韻もすごくて今思い出してもあれが現実だったのかちょっと自信ない。ていうくらいすごかったです。