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BL、生活、その他いろいろ

虎徹さん嫌いだけどTIGER&BUNNY-The Rising-とても面白かったよレビュー1

レビュー

 TIGER&BUNNY-The Rising-見てきました。本編終了後、どうも虎徹さんが好きになれないという事に気づいてしまい、タイバニそのものが全く楽しめなくなってしまっていた私(なんせタイバニは虎徹さんの物語だし)。熱は冷めてしまったけど、なんとなくライビュや舞台、映画なんかは見に行っていて、今回の作品も惰性で見に行ってきました。前情報も評判も見ないまま、期待せずに行ったのですが、意外や意外、これが想像以上に良かった。

 

 タイバニにがっかりしてしまった理由の一つに、事なかれ主義みたいなぬるさを感じていたということがあるのですが、ライジングはそのぬるさが少し減って、シビアさみたいなものが少し出てきていました。そこがよかったのかも。相変わらず虎徹さんにでろんでろんに甘い物語ではありましたが。以下ネタバレ含むレビューになります。

 

 今回の作品、とても盛りだくさんで、何から話したらいいかわからないくらいストーリーがぎゅぎゅっと詰まっていました。起きたことを大きく分けてみると、①虎徹さんのヒーローとしての挫折そして復帰②ネイサンの過去のトラウマ③各ヒーロー達のヒーローとしての悩みと成長④敵との乱闘・街の破壊 みたいなとこかな?と思います。

 

①虎徹さんについて

 冒頭、二軍に降りた虎徹さんとバーナビーのお仕事シーンから始まるんですが、一軍復帰を目指すバーナビーに対し、虎徹さんは二軍でいいじゃねえかと言う。自分の能力も衰えたし、人助けが出来るなら今のままでも十分だし、云々かんぬん・・・理想があるのに追いつけず、妥協もしきれていない、でもプライドがあるから全て受け入れているように見せかけて自分を無理やり納得させているだけ、にとどまらず、若者を現実を知らない青二才扱いしてかっこつけて叱っちゃうダメな大人の典型例だ!!!と思ってしまってテンションだだ下がりでした。この虎徹さんの姿、現実世界にもそこそこいるパターンの「大人」だなぁ、と思います。結構リアルなのでは。自分の年齢や家族のことも引き合いに出しちゃて、一見正論に見えるんだけど、理想を追いかける若者の足引っ張っちゃってるおじさん。二軍のヒーローに対して先輩ぶっちゃうとこもアレ。

 その後、バーナビーの一軍昇格、バディの解散、新しくやってきたライアンとバーナビーの新コンビ発足、上司からの冷遇、クビ、タクシーの運ちゃんへの転身と、どんどん自分の理想から離れていく虎徹さん。バーナビーには、みんなからヒーローだと認められなくても、人助けが出来ればそれでいいと言っていたものの、実際ヒーローとしての仕事と権限を失ってしまった虎徹さんはただのおじさんでしかない。タクシーの運ちゃんの間に人助けのひとつでもしてりゃ説得力ありますけど、残念ながらそういうシーンはあんまりなかったし。

 その後、楓ちゃんに「やりたいことやってる?」と叱られ、奇跡的にヒーローとして復活を遂げた虎徹さん。現れたルナティックと正義についての言い合いながら戦って(?)最後はバディとしてボスにとどめを刺す。HEROTVのインタビュー中、シュテルンビルト全市民からのタイガーコールに後押しされ復帰を決意・・・なんじゃこりゃ!!!もうもう本当にこのアニメは虎徹さんのための虎徹さんに甘い作品だな!と痛感。楓ちゃんからのお叱り文句や、シュテルン市民からの褒め言葉は、おそらく虎徹さんが最も聞きたい言葉なんだろうなと思うものでした。とても虎徹さんに優しく、都合がいい、夢の様な言葉。挫折し、一般人に戻ってしまったという現実から、ヒーローに舞い戻るという夢の世界に帰ってくる虎徹さん。彼はヒーロー以外にはなれない人間なんだなと思います。ヒーロー以外のものとしてはきっと生きていけないんだろうな。

 

②各ヒーローについて③ネイサンについて

 さてさて、今回は他のヒーローたちにもしっかりスポットがあたっていて、各々の悩み事が描かれていきます。個性がない、能力をうまく扱えない、とかとか・・・そんな中で、悩み事なんかないわと言い切るファイヤーエンブレムの、過去のトラウマが、その後大きく扱われていきます。敵のNEXT能力によって、セクシャルマイノリティとして差別され嫌われてきた過去を夢にみるファイヤー。学生時代に好きだった相手や、家族、道行く人達から罵倒される様子は見てて本当につらい。本編のときから思ってたんですが、ファイヤーって黒人、セクマイ、NEXT能力者と、差別される要素を複数持っている(あの世界で人種差別があるのかはわかんないですけど)。そういう人が、ヒーローとして活躍していて、人気もあるっていう描写になっているのは興味深かったです。まして、アニメでセクマイ差別について、ふわっとでも描かれることがあるとは思わなかったので、すごくびっくり。その後、ファイヤーが敵のNEXTによる苦しみから開放されたきっかけが、仲間のブルーローズとパオリンからの信頼と好意だったっていうのもすごく嬉しくて、涙がぶわわ!ってなるシーンでした。

今回、一軍ヒーローたちは女子組と男子組で別れて話しているシーンが多く、それぞれプライベートでも仲良くしている様子が描かれているところがよかったんですが、特に女子組は本当に仲が良くて、かわいくて、お互いを応援しあっていて本当に本当によかったです。しかし女子組はまじでかっこいい!対して男子組は、うーん・・・虎徹さんもそうなんですけど、彼らは思春期をひきずっているというか、思春期をしかるべき年齢で経験してないのでは?というところがあるように思います。おまえら中高生か!みたいな・・・。だからこそ彼らはヒーローになれて、ヒーローでいられるんだろうなと思ったりもしますが。今回新しく出てきたゴールデンライアン、彼はとてもちゃらちゃらしていて軽薄そうなんですが、そういう点も含めて、自分のことをわかってるような雰囲気を感じました。自分のポジションやキャラクター、能力、仕事、それに支払われるべき対価なんかを把握していて、しっかり折り合いが付けられているような。できることとできないこと、やるべきことを知っていて、公私の区別が付いている(プライベートや過去が作品内で明かされていないからというところもあるかもしれません)。そんな彼がいるからこそ、今回はヒーロー男組の、特に大人たちの曖昧さや迷いが際立つのかなぁと思いました。

 

④戦闘シーンについて

 戦闘シーンはとてもよかったです!縦に揺れる横に揺れる人は飛ぶし物も飛ぶし乗り物かっ飛ばすし地面割れるしビルは壊れるしロボットは出てくるしですごかったです。ハリウッドも顔負けかもっていうくらい!超楽しい!!!あれは映画館で見るべき。メカ好きとしては、あの戦闘シーンだけでもう幸せいっぱいお腹いっぱいです。なによりもかっこよかった!興奮!!敵のボスのNEXTが、ロボットぞ自在に作り上げて自在に操る能力だったため、終盤はもっぱら巨大ロボットとの戦闘シーンになっていました。ヒーロー総出での対決、CGかな?ばんばん使って描かれていて迫力満点でした。最後ボスが負けて、ロボットが解体されていくシーンも良かったです。そこだけ違うアニメみたいでした。(笑)と付けたいくらい。

 

 そんなかんじの映画でした。細かいところで気になったところは次の記事で書くつもりですが、こう、文字に書き起こそうとしてみると、この作品まとまりないな!冒頭でも書きましたが、本当に盛りだくさんで、無理やり詰め込んだだろうってかんじなんですが、すごくうまくまとまっていました。この記事では人物ごとにまとめてレビューにしちゃいましたが、実際は視点やシーンがコロコロ変わりながらそれぞれについて描かれているため、虎徹さん鬱陶しい!と思っても次の瞬間他のヒーローたちのシーンに、ネイサン辛い!とおもっても次はキレのある戦闘シーンに、というようなストーリー展開で、飽きることなく、うんざりしすぎることなく、シリアスになりすぎることもなく、みっちりしたストーリーもテンポよく鑑賞出来ました。