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ちんこ漫画『僕はすべてを知っている』にみるちんこ事情

 の前のBLレビューをするため、本棚を漁っていたら、高久尚子さんの「僕はすべてを知っている」が出てきました。ちょうど、続編である三巻が来月下旬に発売されると聞いていたので、これを機にもう一度最初から、と読みはじめたんですが、このお話、話数が進めば進むほど、どんどんちんこが消えていくんですね。霞のような存在を経て最終的には想像上のちんこになっていきます。悲しい......

 

 ところで、この「僕はすべてを知っている」という作品は、天才包茎整形医師かつ美チンフェチ犀川が、超絶美チンの浅野に一目惚れ!どうにかして浅野の美チンを拝んでみたい・・・!というところから始まるお話です。(あらすじの詳細はhttp://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/30294/
 テーマは「ちんこ」。「ちんこ」という単語が出てこないページはないのか、というくらいそこかしこにちんこがあふれている作品です。これだけを見ると、ジュネットの漫画なのかな?えろばっかりなのかな?と思うようなあらすじですが、実際はcharaCOMICSから出ている本で、恋愛の楽しさや苦しさ、不安、仕事のこと、誰にも言えないコンプレックスや将来の夢まで、他のテーマも、各所で丁寧に扱われています。あくまでもちんこをメインテーマとして扱いながらも、登場人物の心情描写も十分に絡ませてあって、時にはコミカルに、時にはシリアスにと、起伏のあるストーリーで飽きずにどんどん読めちゃう本です。もちろんえろもあります。白衣もあります。前立腺マッサージもあります。メディカルグローブも出てきます!おすすめ!!

 

 そんな「僕はすべてを知っている」、現在二巻まで出ていて、一巻目は2007~2010年に雑誌掲載された作品、二巻目は2011年の作品が収録されています。一巻目の第一話は、2007年1月号掲載分で、この時、ちんこはまだあったのです。亀頭から裏筋まで描かれていて、しっかりと人間のちんこの形を保ったままでした。修正はスプレーで描いたような丸で、先端から数カ所、ちんこを描く線をぼかすように入っています。
 2007年5月号掲載の第二話になると、形がより棒にちかい形にはなっていたんですが、亀頭と陰茎の境目が描かれていて、まぁちんこっぽい、というくらい。ちんこをかたどる描線はぼかされてはいませんが、筋なんかの細かい書き込みがなくなって、陰茎部の全体的な凹凸をなくすように白でべたっと塗ってあるようなものになっていました。
 2010年5月号の第三話ちんこは、形は第二話と同じのまま、線がよりぼんやりぼやかされきて、消えかかってる感が増してきています。ただし、第三話は犀川・浅野CP初えっち回なので、一・二話よりは出てくるちんこ数が多くなっています。
 2010年7月号第四話、ベッドシーンが一箇所ありますが、対面座位で挿入していたり、どちらかの体でちんこが隠れていたりで、一本も出てきません。おしりの割れ目もあいまいになってきています。この辺りから読んでて(´・ω・`)なんでちんこどこいってしまうんという気持ちで悲しくなってきます。
 2010年9月号第五話、ストーリー上ベッドシーンなし。
 2010年11月号第六話、フェラチオシーンどベッドシーンがありますが、線もあいまいで、ちんこを持つ手の形でどのへんにどんなちんこがあるかわかる、という程度になってきています。

 2011年1月号第七話からは二巻に収録されています。この回ではベッドシーンは二回、もはやちんこというより麺棒のような形で、その上線もうすくなっています。ちんこ食べてるのかうまい棒食べてるのか判断できないレベルです。大変つらいです。ちなみにこの回のえっちは受けちゃん着衣のままなのでちくびも出てこず更につらいです。ストーリーの面白さで乗り越えました。
 2011年3月号第八話はえっちなし、ほのぼのラブラブバレンタイン回です。
 2011年5月号第九話、ベッドシーン2回、自慰シーン一回とエロ多め回なんですが、とうとうちんこが消えました。NOちんこです。これ以降、ストーリー上受けの美チンが頻繁に登場するんですが、一切見えないので、ちんこに関わる動作はすべてパントマイム状態になっています。精液は変わらず出るのですが、輪郭線が一切でてこないので想像で補うほかない、という状況になってしまいました。
 2011年9月号第十話ベッドシーン一回、NOちんこです。
 2011年11月号第十一話もNOちんこ。ちくびいじりはありました。

 

 という感じで、2011年から本格的にちんこがない!つらい!

 漫画の性描写規制・修正強化に関しては、東京青少年健全育成条例改正案によるものだ、と言われますが、確認してみると改正案可決が2010年12月のことなので、時期がぴったりですね・・・(´・ω・`)
 可決以前にも、BL雑誌が有害図書指定された時、drapで裸の人物がいるコマがべったり黒塗りにされて売られてたってことがありましたけど、それが2010年7月号くらいだったので、それもぴったりといえばぴったりです。とても悲しい。

 

 ちんこが描いてあればいいとか、修正がなければいいとかいうわけではないです。えろ重視でもそうでなくても、ストーリーの面白さが一番だと思っています。その点『僕はすべてを知っている』は魅力的な作品なんですが、その魅力よりも、修正による違和感が強烈に目について、ストーリーに没頭できないというのが、今回読みなおして不満な点でした。過剰にあるべきものをなくしてしまうせいで、キャラクターが変なことをしていたり、構図がおかしかったり、強烈な違和感を感じる、となると、描かないということがストーリーを追う上でとても邪魔なものになります。本当に邪魔!!じゃまーーーーー!!!!!!というもやもや不満がたまっていく今日このごろでした。

 

長々とぶつぶつ言いましたが『僕はすべてを知っている』ほんとにおもしろいのでおすすめです。三巻も買います。